ハブはネズミなど小型ほ乳類を主な餌にしているが、タイワンハブは小型ほ乳類のほか、は虫類、両生類も捕食する。木にも登るため鳥類が補食される可能性もある。
タイワンハブが高密度化するのは、ハブと比べて餌の種類が多いこと、また、ハブと比べて体が小さいため、餌を多く必要としないことが可能性として考えられる。ただ生態がよく分かっていないので、より詳しい研究が待たれる。
県が検討しているように、マングース北上防止柵を改良し、タイワンハブ対策に活用することは定着阻止策の有効な手段の一つだろう。防除策の一つとして、私は漁網を使った「刺し網」を提案している。ハブでは一定の効果を確認している。捕獲器と比べると導入、運用コストは大きく低減できる。タイワンハブを含めヘビはいったん定着すると、捕獲器だけで低密度化するのは難しい。
世界自然遺産登録地内での定着を阻止し、やんばるの希少固有種を保護するために市町村、県、国はさまざまな手段を尽くしてほしい。