旅客船待合所に「港ピアノ」 渡嘉敷島を離れる瀧川さん、感謝を込めて村に寄贈


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瀧川さん寄贈の電子ピアノを弾く観光客の内田萌子さん(右)、宮下楓加さん=2日、渡嘉敷港旅客船ターミナルホール

 【渡嘉敷】渡嘉敷村に昨年12月、大阪から移住した瀧川範子さん(59)が島での生活の記念と島民への感謝を込め、5月31日に同村に電子ピアノを寄贈した。瀧川さんは、渡嘉敷幼稚園で会計年度職員として勤務していたが都合により退職し、6月上旬には島生活を終え、島を離れるという。

 「ストリートピアノのように、渡嘉敷港の旅客船待合所などの公共施設に設置して、住民や観光客など誰でも自由に弾けるようにしてほしい」と5月17日に同村に要望したところ、村の計らいで旅客船ターミナルホールに設置が決まった。瀧川さんとターミナルを管理する村船舶課の新里武広課長が31日に取り付けた。新里課長は「ターミナルを利用する観光客、住民らのサービス向上にもつながり大変ありがたい。大事にしたい」と感謝した。

 初めて島に観光で訪れたという那覇市在住の2人の女性は「きれいな海に感動し、小学校以来のピアノも弾けて心が穏やかになりました」と笑顔で話し、フェリー乗船待ちの間、ピアノ演奏を楽しんでいた。

 演奏を終えると聞き入っていた観光客らが拍手を送った。
 (米田英明通信員)