「上條陽子とガザの画家たち 希望へ…」展が宜野湾市の佐喜眞美術館で開かれている。13日まで
上條さんは横浜市生まれ。1999年、パレスチナを初めて訪れたことをきっかけに、同地の画家たちの作品を日本に紹介する活動を続けている。パレスチナのガザ地区には約190万人が住んでいるが、イスラエルの厳重な管理下にあり、移動の自由が許されていない。
閉塞状況下で芸術活動に取り組む画家たちを紹介しようと、今回はガザの作家7人の作品38点と、上條さんの作品約40点を展示している。ガザの画家の作品は油絵を主体にしており、人物や動物、風景が描かれている。現地に住む人々の世界観が作品ににじみ出ており、色使いも独特だ。
上條さんの作品の一つは「壁」がテーマの立体作品。黒を基調にはしごのオブジェも使われている。周囲を高い壁に覆われたパレスチナの状況を「何を使っても乗り越えられないイメージとして表現」と上條さんは説明した。そのほか、沖縄の壕をイメージした「ガマ」や、「マグマ」「ジャングル」などの大作があり、参観者の目を引いている。
同展は、米軍基地の存在が土地利用を大きく制限している沖縄の状況とも重なり合う。また、慰霊の日も控え、平和や自由について考えさせられる内容だ。
佐喜眞美術館の佐喜眞道夫館長は「沖縄の画家たちにもぜひ見てほしい展示だ」と話している。
問い合わせは同館(電話)098(893)5737。
(上原修)