くらし
ドクターのゆんたくひんたく

〈110〉腹腔鏡手術 傷小さく負担も軽減

 「腹腔鏡手術」は最近テレビドラマやドキュメンタリーなどでも取り上げられており、皆さんも映像として一度は見たことがあるかもしれません。

 数十年前まで婦人科では卵巣腫瘍や子宮筋腫などの良性の病気に対してもおなかを大きく切る「開腹手術」が行われていました。しかし近年、医療技術の進歩により、小さな傷3~4カ所からカメラや鉗子をおなかの中に挿入し、カメラで写した映像をテレビ画面で見ながら操作する内視鏡手術(腹腔鏡手術)が主流になってきています。

 さらに、最近では子宮体がんや子宮頸がんなどの婦人科がんの一部に対しても腹腔鏡手術が選択されるようになっています。子宮体がんの初期と子宮頸がんの初期については健康保険が適応されており、さまざまな条件が整えば、許可を得た施設で腹腔鏡手術を受けることができます。

 ここで、開腹手術と比較した腹腔鏡手術の長所と短所をお話しします。長所は(1)傷が小さい(2)入院期間が短い(3)美容的に良い―などがあります。

 開腹手術では下腹部を縦もしくは横に10~20センチほど切開します。腹腔鏡手術ではおへそに12ミリの切開と下腹部に5ミリの切開を3カ所、合わせて4カ所の創を設けます。一つ一つの傷が小さいため、体への負担も少なく、術後の回復も早いと言われています。

 また入院期間は開腹手術では7~10日間程度ですが、腹腔鏡手術では5日間です。さらに傷が目立たない点も女性に優しい手術方法と言えます。短所は(1)手術時間が長い(2)術者の難易度が高い(3)費用が高い―などがあります。

 手術時間は良性の病気では開腹手術と比べて最近はあまり変わらなくなっています。また、私たち医師は手術の必要性の検討、患者さんの希望や悩みを聞きながら術前、術後を通して寄り添うよう心がけています。

 費用の点では、高額療養費の対象となるので、世帯収入に合わせて上限が設定されており、安心して手術を受けることができます。

 「体に負担の少ない手術」があることを知っていただくことで、手術療法をためらわれている方のきっかけになればと思います。

(宮城真帆、琉球大学病院 産婦人科)



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