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この1カ月間、アメリカで銃乱射事件が多発しています。先月14日にはニューヨーク州バファローのスーパー、24日はテキサス州の小学校、今月1日はオクラホマ州の病院で、4日にはフィラデルフィアの繁華街で銃撃事件が発生【※1】しました。
「銃乱射事件」というと、日本ではあまり起こらない、どこか遠い場所の話のように感じるかもしれません。
※1 銃撃事件が発生 … アメリカのプロバスケットチーム「ゴールデンステート・ウォーリアーズ」のスティーブ・カーヘッドコーチは、NBAプレーオフの試合前の会見で「今日はバスケの話はしない」「(続く銃乱射事件に対して)もううんざりだ!」と激怒し、その動画は日本でも話題になりました。昔からアメリカでは銃を使った犯罪が社会問題になっていますが、それでもここ1カ月で多発していることで、著名人も声を上げることとなりました。
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しかし「ヘイトクライム(憎悪犯罪)」と視点を変えるとどうでしょうか。
例えば、バファローの乱射事件では、容疑者は黒人が多く住む地域を狙い、撃たれた13人のうち11人が黒人でした。さらに容疑者がネット上に残したとみられる過激な長文では、自らを「白人至上主義者」だと記しています。
少なくともバファローの事件は「銃乱射事件」かつ「ヘイトクライム」であり、ヘイトクライムは残念なことに日本でも何度も発生している【※2】のが現実です。
※2 ヘイトクライムは残念なことに日本でも何度も発生している … 昨年8月、在日コリアンが多く住む京都府宇治市のウトロ地区で放火事件が発生しました。逮捕された容疑者は、差別感情が理由で、このヘイトクライムを起こしたと述べています。
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ヘイトクライムは突然発生するわけではなく、その前にヘイトスピーチがあります。
特定の民族や国籍、あるいは外国にルーツがある人たちをひとくくりにし、「国へ帰れ」「○○人を叩き出せ」「○○人を殺せ」と言葉で攻撃します。
こうした言葉は日本でも多く飛び交っており、ネットへの書き込みも目立ちます。
遠くで起きたように感じる事件も、要素を一つ一つ分けて考えると私たちの身近な話につながります。
ヘイトスピーチをどう止めていくかが、今後の世界、SNS企業の課題です。私たちもヘイトスピーチに流されず、どうしたら止められるか考えていきましょう。
【プロフィル】
モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。