【記者解説】オリオンビール、次の50年へ戦略は? キーワードは「営業力」


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オリオンビール名護工場

 村野一社長就任後初の決算発表では、次の50年に向けた五つの戦略も発表した。キーワードとして見えてきたのは「営業力」だった。

 2~3月に代理店へのアンケートを実施。そこから販売戦略を「顧客第一主義、原点に立ち返る」と掲げた。「商品案内は営業から直接聞きたい」という声に応え、訪問の質と量を増やすなど、営業の強化を打ち出した。

 県外に関してはNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」の放送という好機に合わせ、全国に2417店ある沖縄料理店への営業を強化したり、量販店へ「沖縄フェア」を提案したりする方針だ。

 売り上げ目標の立て方も変えた。これまでは市場予測に基づき全体の売り上げ目標を立てて各営業員に割り当てていたが、今期から営業員ごとに商品別、法人別の予算を積み上げる方式に変更した。4、5月はほとんどが自分の予算を達成しているという。

 村野社長は「大手と同じことをしても勝てない。地の利を生かし、沖縄のデータに基づく営業を徹底する」と強調した。22年3月期はビール類の県内売り上げの減少が目立った。「わったー自慢のビール」としてのブランドをより確かなものとするために、県民に寄り添った商品展開、販売戦略を実行できるか注目される。
 (玉城江梨子)