中部商業の比嘉、男子やり投げ優勝 全九州高校体育大会


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 全九州高校体育大会の陸上、自転車、ヨット競技が17日、県内ほかで行われた。沖縄市陸上競技場で行われた陸上の南九州地区予選第2日は、男子やり投げで比嘉健登(中部商)が58メートル44で優勝し、赤嶺慧(那覇西)が2位に入った。女子は100メートルで上地愛花(石川)、同三段跳びで喜久里彩吹(那覇国際)、砲丸投げで友利晟弓(那覇西)がそれぞれ2位となった。長崎県の佐世保競輪場であった自転車は、男子チームスプリントで北中城が3位、同4キロ団体追い抜きで沖縄工が7位だった。宮崎県の大堂津ヨット競技場で行われたヨットの男子シングルハンダー級初日は、伊波光大(知念)が暫定21位となった。

負傷押して出場 底力発揮

やり投げ決勝 58メートル44で優勝した中部商の比嘉健登=17日、沖縄市陸上競技場(大城直也撮影)

 男子やり投げは県勢が優勝争いを繰り広げ、1、2位で表彰台に上るなど躍動した。3選手が6位入賞し全国総体の切符をつかんだ。優勝したのは58メートル44を記録した比嘉健登(中部商3年)。2位の赤嶺慧(那覇西3年)にわずか2センチ差での勝利だった。肘のけがを押して力投した比嘉は「うれしい」と素直に喜んだ。

 5月の県内大会で自己ベストの59メートル23をマークした。しかしその後の練習で肘の靱帯(じんたい)を痛めた。練習を控え、県総体に続き、ぶっつけ本番で試技に臨んだ。

 高校になって陸上を始めた。当初は幅跳びをしていたが、中学までハンドボールで鍛えた肩の強さを、監督に見いだされ、やり投げに移った。「瞬発力と腕の振りで投げている」。持ち前の遠投力で見る見る力を伸ばし、型にはまらないプレーで自己記録を更新してきた。

 今大会は痛み止めを打ち一発勝負で挑んだが、底力を発揮して自己記録近くまで投げきった。けがを抱えてこの飛距離。64メートル以上は「全国6位入賞は狙える」と意欲を高める。昨年は予選落ちで悔しさが残った全国総体。助走の精度を上げて、決勝で60メートル超えを目指す。
 (謝花史哲)