「平和の礎」磨き平和を思う 糸満で3年ぶり祈念祭


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日差しが強く照りつける中、平和の礎を磨く子どもたち =18日、糸満市摩文仁の県平和祈念公園

 【糸満】第27回糸満市平和祈念祭(市主催)が18日、同市摩文仁の県平和祈念公園で3年ぶりに開かれた。市平和ガイド修了生による平和レクイエム朗読や市平和都市宣言が読み上げられたほか、最後には参加者全員で「平和の礎拭き清め」を行い、恒久平和への思いを新たにした。

 祈念祭は新型コロナウイルスの影響で2020年から2年連続中止となっていた。18日は當銘真栄市長や市内の小中高生ら約200人が参加した。レクイエム朗読では仲間麻莉乃さん=向陽高1年=と高田宙さん=南部商業高1年=が、ひめゆり学徒隊のたどった沖縄戦について紹介した。

 沖縄戦で高祖母を亡くした糸満小5年の児童は「ひいひいおばあちゃんの話は言葉に表すことができないほどの怖さを感じた。みんなが差別をなくして仲良くできたら平和になると思う。礎を掃除してあらためて平和の大切さを感じている」と語った。礎を磨いた後は、平和祈念資料館を見学した。

 同僚と参加した沖縄銀行西崎支店長の仲村元彰さん(46)は「松山尋常小の教員だった祖父は首里で戦死した。沖縄戦は忘れてはならない記憶だ」と語った。 (吉田健一、写真も)