恒久平和、歌い継ぐ 西原・夕陽の広場、「月桃」の碑完成


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
月桃の歌詞が刻まれた歌碑の前で歌う海勢頭豊さん=22日、西原運動公園内夕陽の広場

 【西原】平和音楽家、海勢頭豊さんの代表曲「月桃」の歌詞が刻まれた歌碑が西原運動公園内「夕陽の広場」に完成した。22日、除幕式が行われ、海勢頭さんや実行委員会の新里米吉委員長、崎原盛秀町長など200人超が出席した。出席者らは歌碑完成を祝うとともに歌碑を通じて恒久平和に向けて取り組むことを誓った。

海勢頭さんら除幕式

 平和を願う歌として県内外で歌い継がれる「月桃」が誕生したのは1982年で今年40年を迎える。そして、歌碑が建つ夕陽の広場は沖縄戦の激戦地でもあった運玉森が望め、糸満市の摩文仁が同一の方角上に位置する。同広場では毎年、町の平和音楽祭が開催され、「月桃」がフィナーレで歌われてきた。

 除幕式では坂田小音楽部16人が「月桃」を合唱。新里委員長が「平和を願う人が将来にわたりこの地を訪れると思う。歌碑ができたことで『月桃』が歌い継がれることを期待したい」とあいさつした。

 除幕式終了後には祝賀会が催され、海勢頭さんが琉球讃歌などを披露した。海勢頭さんは「歌碑ができて終わりではない。大人は戦争が起きないよう努力しなければならない。そして若い世代には『月桃』を歌い継いでほしい」と語った。

 歌碑は本部町で採れた本部石(頁岩(けつがん))で作られており横4・9メートル、高さ2・4メートル、厚さ1・4メートル、重量は約26トン。歌碑の横に設置されているボタンを押すと歌が流れる仕組みになっている。

 歌碑建設を巡っては、県外を含む町内外から1815件、1371万円の寄付が寄せられた。
 (吉田健一)