石垣の陸自基地工事、沖縄県が一時休止を要請 天然記念物「カンムリワシ」の繁殖期に配慮求める


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カンムリワシ(資料写真)

 沖縄県石垣市で進む陸上自衛隊配備予定地での工事に絡み、県は22日、予定地とその周辺で国指定特別天然記念物「カンムリワシ」など希少種の生息環境を保全するため、繁殖期の8月まで工事を一時休止することなどを求め、沖縄防衛局に要請した。

 カンムリワシは1月ごろから巣作りを始め、3月下旬~4月上旬に産卵、8月に巣立ちを迎える。

 県は1~8月に繁殖・採餌活動が広範囲で活発化することを指摘している。防衛局が米軍北部訓練場でのヘリコプター着陸帯移設の際、ノグチゲラなどの繁殖期の3~6月に工事を一時休止していた事例を挙げ、同じように工事を休止するよう求めた。

 防衛局は4月、予定地周辺でカンムリワシの営巣活動を確認し、騒音や振動を伴う工事を控えるなどの措置を講じた。

 県は休止期間が不明であることや対象工事が限定されていることなどから十分な配慮がなされているかを懸念。現況調査を含め防衛局に継続的な情報提供を求めている。

 県は2019年度から防衛局に同じような要請を実施。県によると、防衛局は19年度は数カ月、20年度は数週間、21年度は数日、工事を一時休止したという。
 (安里周悟)