琉球海運、3期ぶり増収増益 不定期航路の輸送量が増加 22年3月期決算


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 琉球海運(那覇市、宮城茂社長)は23日に株主総会を開き、2022年3月期決算などを承認した。不定期航路の輸送量が増加したことで売上高は前期比8.5%増の219億284万円だった。経常利益は同60.9%増の7億9603万円、純利益は同67.0%減の1億1951万円となり、経常利益ベースで3期ぶりの増収増益となった。

 輸送実績は定期航路が前期比0.3%減とほぼ横ばいの350万9491トンだったが、不定期航路が離島での分蜜糖や葉たばこ、県外間航路での鉄鋼などの輸送が増え、同82.4%増の29万5674トンだった。合計は同3.3%増の380万5165トン。

 貨物運賃は定期が同6.4%増の200億4537万円、不定期が同44.9%増の11億254万円、合計211億4791万円だった。

 燃料費は原油価格の高騰や円安の影響で前期比49.2%増の55億2204万円だった。物流施設の整備による県や福岡県からの補助金などによって、特別利益10億6556万円を計上。一方で子会社の琉球ロジスティクスセンターへの貸付金や賃料未払い分などを含めた12億8648万円を特別損失に計上した。

 23年3月期は売上高238億円、経常利益18億円の増収増益を見込む。

 宮城社長は「グループ15社の売上高は523億円と40億円程度伸びているが、燃料費の上昇が続けば次期の計画達成は非常に厳しくなる。原油高や円安に翻弄(ほんろう)されない組織体制を築き、県経済持ち直しへの期待に応えるためにも反転攻勢をしたい」と話した。
 (小波津智也)