沖縄県物産公社、2期連続の赤字決算 売り上げ増でマイナスは圧縮 <決算・人事>


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 県物産公社(那覇市、比嘉徹社長)は28日、株主総会と取締役会を豊見城市の沖縄空手会館で開き、2022年3月期決算と役員人事がそれぞれ承認された。

 22年3月期は純損失6600万円を計上し、2期連続の赤字決算だった。新型コロナウイルス禍を受けた行動制限による入域観光客の低迷や、わしたショップの営業自粛・時短営業によって厳しい業績となった。

 物産展の販売額を含む総取扱高は前期比9.7%増の41億1400万円だった。原油高騰による運搬費の増加などの影響で経常損失は4700万円の赤字だったが、増収で赤字幅は前期比3400万円の圧縮となった。

【左から】谷合誠氏、前村司氏

 純損失はわしたショップライカム店閉店で特別損失1600万円を計上しているが、前期比で2700万円の改善だった。2期連続の赤字決算で債務超過額は2100万円となったが、沖縄振興開発金融公庫から資本性劣後ローンを調達し、実質の純資産は7800万円となっている。

 総取扱高を事業別で見ると、卸販売部門ではコロナ禍による巣ごもり需要を捉えて販路を拡大し、前期比7・2%増の20億7100万円となった。物産展・外商部門は前期比34.6%増の5億5200万円、直営店部門は同7.1%増の13億300万円だった。

 22年度の重点目標として、総取扱高47億5500万円、税引き前利益1900万円としている。
 役員人事は、県商工労働部産業振興統括監の谷合誠氏(54)と沖縄公庫融資第一部産業振興出資室長の前村司氏(54)がそれぞれ非常勤取締役に就いた。
 (小波津智也)