台湾有事「想定の議論を」 沖縄県の有識者会議 国民保護法も言及


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            沖縄県庁

 沖縄県基地対策課は1日までに、5月25日に開いた「第2回米軍基地問題に関するアドバイザリーボード会議」の議事概要を公開した。委員を務める有識者からは、戦争回避や緊張緩和の再認識につなげるため、「台湾有事」の経済被害の想定や自治体が行う国民保護の現実性について県として検討し、国に議論を提起することを求める意見などが上がった。

委員の1人は「どこに住民避難の限界があるかはっきりさせないといけない」と指摘。「今の日本の勇ましい論議の一番の問題点は、被害想定が全くないこと」と述べた上で、「戦争が起こった場合の国民保護法はどこまで現実的になっているのか、具体的に詰める必要がある。台湾有事が県経済に与える影響などのテーマで議論のベースとなるような被害想定を考えてはどうか」と提言した。

 別の委員も、自治体による住民避難などを県側から提起することで「かえって緊張緩和の必要性を再認識させるきっかけになる。国の計画の不備、自衛隊の配備などいろいろな問題なども明らかになる」と指摘した。

 ロシアのウクライナ侵攻などを念頭に、外交努力による緊張緩和、住民保護計画などを「県から打ち出すべき」との発言もあった。発言した委員は「これまでの基地反対の形態では、若者中心に支持が得られない。より現実的な案として、有事のときに、どう住民を守るべきか県側から積極的に言う必要がある」と訴えた。

 会議には添谷芳秀慶應義塾大名誉教授、野添文彬沖縄国際大准教授、マイク・モチヅキ米ジョージワシントン大准教授、宮城大蔵上智大教授、柳沢協二元内閣官房副長官補、山本章子琉球大准教授が委員として参加した。県の議事概要では発言者は非公表となっている。議事概要は県ホームページで公開している。
 (塚崎昇平)