遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表は、4日からスイス・ジュネーブで開かれる国連の先住民族の権利に関する専門家機構(EMRIP)の会合に参加し、遺骨土砂問題の解決と台湾有事の回避を訴える。渡欧を前に1日、県庁で会見し、沖縄戦で朝鮮半島の人々や米兵も亡くなったことに触れ、「遺骨土砂は沖縄だけの問題ではなく、国際的な人道問題であると訴えたい」と強調。世界の先住民族と連携し、国際世論や日米両政府に働き掛ける意義を説明した。
専門家機構は先住民族の権利に関する2007年国連宣言の採択を受け、08年に設置。7人で構成し、人権理事会に専門的な知見を提供するなどしている。
具志堅さんは4日と5日の会議で発表する。4日は、日米安保条約と在沖米軍の駐留が琉球・沖縄の先住民族の権利を侵害していることなどを訴える。5日は、日本政府による辺野古新基地建設に伴う土砂採取計画が、戦争犠牲者や先祖を弔う権利を侵害していることなどを指摘する。
具志堅さんは「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」の共同代表も務めている。日米が南西諸島40カ所に攻撃用拠点を置く共同作戦を計画していることから、台湾有事となれば島々が攻撃の標的になることは必至だと指摘。「沖縄を戦場にしないため、一緒に立ち上がってほしいと呼び掛けたい」と話した。2日に成田を出発し、8日に沖縄に戻る予定。帰国後、報告会を予定している。
(中村万里子)