<参院選沖縄選挙区2022政策点検>⑦少子高齢化 伊波氏、年金水準下げ反対 古謝氏、高齢者に雇用提供


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 日本は人口減少に歯止めがかからない。全国で唯一、人口の自然増が続く沖縄でも少子高齢化は着々と進む。人口減は国や地域の衰退につながり、対策が求められている。

 参院選沖縄選挙区に出馬する無所属現職の伊波洋一氏(70)と自民新人の古謝玄太氏(38)=公明推薦=は、ともに子どもを産み育てやすい環境づくりを訴える。一方で高齢者の暮らしを支える施策では手法に違いが出た。

 伊波氏は「出産や養育費用を無償化」することで、経済的理由で結婚・出産を諦めていた若年層の支援を推進すると主張した。さらに同一価値労働・同一賃金を実現し、ワークライフバランスの推進を進める考えだ。高齢者世帯に対する年金給付水準の切り下げには反対する姿勢を示した。

 古謝氏は、仕事と子育ての両立化のためにライフステージごとの支援を訴える。少子化で衰退する地方への移住を進めるため「情報通信・交通インフラの整備」などを掲げた。社会の高齢化と同時に人々の寿命も伸びていることを踏まえ、高齢者がいつまでも働ける場を提供するとした。

 人口減を受けて、外国人労働者の受け入れを巡る議論が起こっている。日本に居住する外国人への参政権についても議論の対象となっている。

 伊波氏は外国人労働者の受け入れについて「まずは権利を保障する包括的な外国人政策の策定が必要」と、慎重な姿勢を示した。参政権については「慎重な議論が必要」としつつも、地方選挙への投票権については住民合意を前提として「認めることも可能ではないか」とした。

 古謝氏は外国人労働者の受け入れについて「地域経済を維持発展させるために、外国人材の受け入れ・育成を図る必要がある」と積極的な姿勢を示した。参政権については「統治機構の意思決定に参画する権利を、日本国籍を有する国民以外に認めることは慎重であるべきだ」と否定した。

 原発の再稼働の可否についても各政党で意見が分かれている。

 伊波氏は再稼働に反対する姿勢を示した。再生エネルギーを中心としたエネルギー政策の推進を訴え、原発に依存しないカーボンニュートラルの実現を訴えた。

 古謝氏は「需要や技術開発動向で判断する」とした。再生エネルギーの新技術などを踏まえ、「エネルギーのベストミックスの観点から原発の利用を考える」とした。

 日銀が進める大規模金融緩和について、伊波氏は「日銀は緩和自体が自己目的化しており、『悪いインフレ』の原因となった」と評価しない。古謝氏は「2%の物価安定目標を追求することが、日本経済の再生につながる」と評価した。

(おわり)