「まさか日本で起きるなんて」突然の凶弾、沖縄県民にも衝撃 安倍元首相銃撃・死亡


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 安倍晋三元首相が奈良県で演説中に銃撃され、死亡した事件は沖縄県民にも大きな衝撃を与えた。銃規制が緩い米国などと異なり、「まさか、日本でこんなことが起きるなんて」と一様に言葉を失った。参院選のさなかに起きた、民主主義を踏みにじる凶行。県民からは、暴力は決して許されず、言論の自由と民主主義を守るべきだという声が上がった。

「安倍晋三元首相心肺停止」の琉球新報号外を受け取る歩行者ら=8日午後1時すぎ、那覇市内

 沖縄市役所に訪れた女性(64)=沖縄市=は昼食時にニュースを目にした。「考えられない。米国で銃乱射事件が相次いでいるが、日本で起こるなんて」と驚きをあらわにした。

 竹富町の自営業の女性(47)も「日本ではあり得ないようなニュースにショックを受けている」と話した。

 豊見城市の大学生の女性(18)は自宅のテレビで事件を知った。「人には、言論の自由があり、互いの主張を受け入れることが大事だと思う」と話し、言論の自由を暴力で封じ込めるべきではないと強調した。

 銃撃後、心肺停止だった安倍氏の死亡が午後5時すぎに伝えられ、本紙などは2度目の号外を発行し、パレットくもじ前などで配布した。号外を受け取った公務員の女性(32)=那覇市=は「歴史に残るような痛ましい事件だと思う。何が原因でこういうことが起きたのか」と驚きを示した。投開票日の直前の事件に「影響が出ないか心配だ。きちんと民意を反映した結果になってほしい」と望んだ。

(中村万里子、石井恵理菜、西銘研志郎、照屋大哲、中村優希)