KBC未来サヨナラ勝ち 延長13回 前田が一死満塁でタイムリー 夏季高校野球沖縄大会


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 第104回全国高校野球選手権沖縄大会の第9日は9日、沖縄セルラースタジアム那覇などで3回戦8試合を行い、8強が出そろった。KBC未来は糸満に延長十三回タイブレークの末、4―3でサヨナラ勝ちした。与勝は那覇を4―1で下し、宜野湾は中部商を5―1で破った。興南は5―1でウェルネス沖縄に勝った。沖縄尚学は小禄を8―2で退けた。豊見城は首里に10―3の七回コールド勝ちした。美里工は第4シードの宮古を2―0で破った。北谷は名護に4―0で勝利した。第10日の10日は、沖縄セルラースタジアム那覇とコザしんきんスタジアムで準々決勝を行う。
 


延長十三回 前田が殊勲打

 KBC未来の前田博朱(はくあ)が勝利への道を切り開いた。無死一、二塁で始まるタイブレークが適用された延長十三回裏。チームは2点のリードを許していた。一死満塁の好機に打席に立つと「狙っていた真っすぐをしっかり仕留めることができた」。左中間に走者一掃の適時打を放ち試合を決めた。サヨナラ打は人生初といい、晴れ晴れとした表情だった。

KBC未来―糸満 13回1死満塁、前田博朱の適時打でサヨナラ勝ちし、歓喜するKBC未来の選手ら=9日、沖縄セルラースタジアム那覇(ジャン松元撮影)

 両チームが一歩も譲らない接戦だった。KBC未来の先発・依田(よだ)龍斗は好投したが、九回に同点の本塁打を浴びた。チームはすぐに國吉真之琉に継投して逆転を許さなかった。十回から大城元につなぎ、糸満打線に付け入る隙を与えなかった。

 五回に本塁打を放ち、打撃でもチームに貢献した捕手の橋本虹輝が投手陣を好リードした。「それぞれの持ち味が生きるように心掛けた」と納得の表情で振り返った。

 2回戦では、春季大会の王者で第1シードの沖縄水産を破った。3回戦では地力のある糸満との接戦を制して、チームは勢いに乗る。与勝との準々決勝に向け、喜屋武竜弥主将は「一戦必勝で臨みたい」と闘志を燃やした。

(大城三太)