【地図でみる】激戦を象徴…市町村別の最多得票は誰?伊波氏は13市町村で勝利も前回から半減<参院選沖縄>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
マイクを持つ候補者(資料写真)

 10日に投開票された参院選沖縄選挙区(改選数1)の市町村別得票数を見ると「オール沖縄」の支援を受けて再選を果たした伊波洋一氏(70)は、41市町村のうち13市町村で、自民新人の古謝玄太氏(38)=公明推薦=の得票数を上回った。2016年の初当選時は26市町村で自民候補より得票が多かったが、今回は半減し、激戦となった。地区ごとの得票数や共同通信などが実施した出口調査を基に支持動向などを探った。(’22参院選取材班)

 最大の票田で勝敗の鍵を握る那覇市では、伊波氏が古謝氏を3230票上回った。得票率にすると2・5ポイント差になる。全県選挙では、那覇で得票が上回った候補が選挙戦で勝利するパターンが定着しており、今回も那覇を制した伊波氏が再選をたぐり寄せた。ただ伊波氏が初当選の16年参院選は那覇で3万票差、19年は同じオール沖縄の支援を受けた候補が2万2千票差を付けたことを踏まえると、得票差は大きく縮まった。

参院選沖縄選挙区の開票作業を行う職員ら=10日午後9時12分、那覇市識名の那覇市民体育館

 伊波氏は11市のうち、地元の宜野湾市と沖縄市の2市でも古謝氏を上回った。そのほかの8市では古謝氏の得票が多く、宮古島市では4447票差を付けている。11市合計では、4289票差で古謝氏が上回った。

 米軍基地が多く、革新地盤とされる本島中部では、中頭郡6町村の合計で伊波氏が8948票上回った。特に読谷村、北谷町、北中城村、中城村、西原町では、この50年余の参院選沖縄選挙区の選挙戦で、革新票が常に保守票を上回っており、今回もその傾向が表れた。

 一方、保守地盤とされる本島北部や南部、離島では古謝氏が上回った。ただ、票差は国頭郡の9町村合計で558票、島尻郡12町村の合計で377票にとどまり、地の利を生かせたとは言いがたい僅差に終わった。八重山、宮古の両郡部でも古謝氏の得票が多かった。