国地方係争処理委員会の菊池洋一委員長と記者のやりとりは次の通り。
―却下の理由は。
「この審査の申し出の適法性について議論し、最終的に本件審査の申し出を却下することを委員の全員一致で決定した」
―理由をより詳しく。
「沖縄防衛局は『私人』として行政不服審査法および地方自治法に基づき適法に審査請求することができ、国土交通相の審査庁としての適格性の観点で検討しても、国交相の裁決が無効とはいえない」
「国交相の裁決は行政不服審査法および地方自治法に基づき、適法にされた申請請求に対してされた有効な裁決だ。国地方係争委の審査の対象である『国の関与』から除かれるもので、審査の対象にはならない。そのため、県の申し出は『不適法なもの』として、これを却下するものだ」
―国交相の裁決が有効である理由は。
「行政不服審査法において国の機関が行政庁から処分を受ける時、その機関が固有の資格を有する場合には審査法が適用されないルールになっている。ただ、本件で沖縄防衛局の『固有の資格』は認められなかった。そのため、一般国民と同じ立場で公有水面の埋め立てに関わっているという判断だ」
【記者解説】防衛局の私人化追認 係争委申し出却下、国と地方の関係性破壊