沖縄県内の海岸では、オカガニやイワガニなど陸生のカニが放卵のシーズンを迎えている。うるま市の宮城島では14日夜、満潮に合わせて山を下りて来たオカガニが、波打ち際で卵を解き放つ様子が見られた。
産卵時期は5月下旬ごろから10月ごろまで。大潮の満月の夜、ふ化直前の卵を腹部いっぱいに抱えた雌のカニが、山肌のすみかからぞろぞろと下り、海岸道路を渡る。途中、車にひかれる個体もいるなど繁殖は命懸けだ。
浜にたどり着くと波に身を任せ、小刻みに体を震わせて海中に卵を放出する。海岸には親子連れらが観察に訪れ、なぎさで繰り広げられる生命の神秘に感嘆の声を上げていた。
(ジャン松元、写真も)