着衣泳「浮いて待て」 水難事故への対策学ぶ 那覇・大名小


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 水難事故から自分も友達も守れる知識と技術を身に付けようと、那覇市の大名小学校(新垣公子校長)で8日、着衣泳講習が行われた。ポイントは「ういてまて(浮いて待て)」。おぼれかけたらあおむけの「ラッコ浮き」で静かに助けを待ち、溺れそうな人がいたらペットボトルなど浮きになるものを投げ渡す。ボランティアの消防士を講師に、2~6年生180人が命を守るすべを学んだ。

ペットボトルを抱き「ラッコ浮き」で助けを待つ練習をする子どもたち=8日、那覇市の大名小学校

 同小は9月から新校舎に移り、新しいプールでの授業はこの日が初めて。最初の授業で事故対策を学ぼうと、長袖・長ズボンに靴を履いてプールに入り、動きにくさや水の力の強さを実感。無理に助けを呼ぼうとせず、体力を温存し、落ち着いてあおむけに浮かぶ練習をした。また、溺れかけた人を水に入って助けようとせず、岸からペットボトルを投げて渡した。
 4年生の猪野屋利桜さんは「服を着ていると泳ぎにくかった」と驚き、小野星砂さんは「水に落ちたら静かに『ラッコ浮き』する」と確認。見学していた保護者の大山亜矢さん(40)は「靴を履いてプールに入るなんて学校でないとできない。靴が浮いて助けになると初めて知った。親子とも知っておいた方がいい」と感心していた。
 同校の保護者で、那覇市消防局中央消防署・特別救助隊隊長の源河北斗さん(42)は「以前、県内の川で小学生が亡くなった事故ではそばにいた友人も『助けられなかった』と心に傷が残った。自分を守りながら人を助けることも大切」と市内外でボランティアでの着衣泳講習を続けている。「消防車が現場に到着するまで平均8分。その間を待っていれば助かる」と説明し、全員で「ういてまて」と声を合わせて確認した。