日本酒と泡盛のコラボ「イチゴのような風味」 あすから限定販売 学生時代の先輩後輩で夢実現


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「SAKE×AWAMORI」を販売するOneSpiritの仲里彬社長=15日、那覇市泉崎の琉球新報社

 酒類の企画販売を行うOneSpirit(那覇市、仲里彬社長)は日本酒と琉球泡盛がコラボレーションした「SAKE×AWAMORI」を20日から250本限定で販売する。イチゴのような風味と優しい口当たりが特徴の新しい日本酒だ。日本酒に焼酎を添加する江戸時代の伝統技法を参考に、日本酒のアルコール添加酒に泡盛を使った。福井県の造り酒屋「田嶋酒造」と共同開発した。仲里社長は「このお酒をきっかけに日本酒ファンと泡盛ファン、沖縄と福井がつながり笑顔のコミュニケーションが生まれてほしい」と話す。

 開発のきっかけは田嶋酒造の杜氏、田嶋雄二郎氏と仲里社長の会話。2人は東京農業大の先輩と後輩の間柄で、学生時代から「いつかは一緒にお酒を造りたい」と語り合ってきた。

 純米酒以外の日本酒は醸造アルコールを添加して製造するが、それを好ましく思わない消費者もいる。田嶋氏は日本酒におけるアルコール添加酒のイメージを変えたいと模索していた。「それなら泡盛を添加してはどうか」と企画が始まった。

 泡盛も日本酒も米から作られる。しかし独特の味がある泡盛と組み合わせたときに日本酒の味や風味はどうなるのか―。仲里社長がいくつか挙げた候補のうち、田嶋氏が「お米の甘みが感じられる」と選んだのは2019年に県内酒造所12社が共同で商品化した「尚」。通常1回の蒸留を3度行うことで、甘い風味と後味のきれの良さが特徴の新世代泡盛だ。酒造所の垣根を越えて技術革新により生まれた「尚」が、泡盛が日本酒に寄り添い高めることを可能にした。

 仲里社長は「泡盛も日本酒も伝統酒。先人の積み重ねた技術から新しいものが生まれ、未来につなげることができた」と意義を語る。

 夏に250本販売した後は、ひと夏の熟成を得た「ひやおろし」で秋に250本を販売する予定。製法に磨きをかけ第2弾、第3弾の展開も予定している。

 価格は3630円(税込み)。大吟醸規格で精米。アルコール度数は16度。販売は20日午後2時から、那覇市首里末吉町の瑞穂酒造敷地内で。問い合わせは(電話)098(885)0121。(玉城江梨子)