沖縄の景気「緩やかに回復」 県民需要や観光客が増加 海邦総研4~6月


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 海邦総研(新垣学社長)はこのほど、4~6月期の県内景気動向調査を発表した。企業の景況感を示す景況判断指数(BSI)はプラス9.9となり、前期(1~3月期)のマイナス23.1から33.0ポイント改善し「上昇」超に転じた。新型コロナウイルス感染症による行動制限措置がない中で県民需要や観光客数が回復しており、県内景気は「緩やかに回復している」と判断を上方修正した。

 業種別では旅行・宿泊業が、行動制限なしで繁忙期の大型連休を迎えられたことからプラス58.1と前期比99.8ポイント改善し大幅な「上昇」超に転じた。建設業はマイナス18.1で同31.2ポイント悪化し「下降」超となった。持ち家やマンションの着工が前年比で増えている一方、非居住用は減少傾向にある。

 雇用関連では全業種の従業員BSIが34.3で「不足気味」超だった。特に医療福祉、情報通信業、建設業などが大きく「不足気味」超となっている。

 来期(7~9月期)の景況見通しBSIはプラス24.0で、「上昇」超幅が拡大するとみる。県民や県外からの需要のさらなる回復を期待する企業が多い一方で、資源高騰やコロナ感染拡大が下振れリスクとなる恐れもある。

 調査は県内に本社がある企業を対象とし、405社から回答を得た。
 (小波津智也)