国際総合大会の「ワールドゲームズ」のタンブリング競技が17日、米アラバマ州バーミングハムで行われ、日本代表の又吉健斗(具志川東中―静岡・磐田東高―静岡産業大、同大クラブ)が4位となった。同種目で日本人の4位入賞は初という。
予選は1本目で大技を失敗し20・900だったが、構成を変えた2本目で25・700を出し、合計46・600で8位に入った。8人で争うファイナル1は大技を決めて27・000で4位となった。4人で争う最後のファイナル2は23・000で4位だった。
4年に一度開催されるワールドゲームズは第2のオリンピックとも呼ばれ、非五輪種目競技のトップアスリートによる総合大会となっている。タンブリングは、約10メートルの助走から反発力のある約25メートルの演技台で技を競う。
又吉健斗はアクシデントに見舞われながらも、初出場のワールドゲームズで日本人初の快挙をつかみ取った。4位入賞に「まだ実感が湧かないが、やりきれてよかった」と感無量の様子だった。
予選1本目で難易度が高い「伸身2回宙返り3回ひねり」を盛り込んだが、着地に失敗。右足首をひねってけがを負った。足を引きずりながら2本目をやるかどうか迷ったが「意地でもやる」と決意した。構成を変えたことで点数が上がり、何とかファイナル1進出に滑り込んだ。
試技前にテーピングをして鎮痛剤を飲むも痛みは引かない。「怖かったし逃げたかった」が、会場の入場で腹をくくった。「絶対にリベンジをする」と失敗した大技に再び挑戦した。完璧に技を決めると、この大会で初めて笑顔が出た。出来栄えを表す演技点で最高スコアを出し、一気に4位へ浮上した。「自分の中でも過去最高の技」とうなずいた。
ファイナル2の試技は痛みに耐えきれず、着地で派手に倒れたが「後悔はなかった」。11月には世界トランポリン選手権への出場も控える。「いろんな経験をしてメンタルが強くなっている。その経験を生かし(次戦は)日本人がまだ残れていないファイナル進出を果たしたい」と前を向いた。21歳の挑戦はまだまだ続く。
(金良孝矢)