【独自】旧統一教会団体の会合、沖縄の政治家が参加 知事選立候補予定者の佐喜真氏も


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2019年に台湾で開かれた「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」のイベントの記念写真。県知事選立候補予定者の前宜野湾市長の佐喜真淳氏(中央)も参加したとされる(フェイスブックより、画像の一部を処理)

 政治家との関わりが政治問題化している宗教団体「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」を巡り、県内でも複数の政治家が関連団体の会合などに参加していたことが明らかとなった。複数の自民党国会議員、市町村議会議員が関連団体の集会などに参加していたほか、9月11日投開票の県知事選の立候補予定者では、自民党の支援を受ける前宜野湾市長の佐喜真淳氏が過去に、同団体の集会などに出席していた。佐喜真氏の陣営関係者は「近日中に何らかの形で正式に説明したい」としている。

 インターネット上の会員制交流サイト(SNS)の投稿によると、佐喜真氏は昨年1月、世界平和統一家庭連合の関連団体「沖縄県平和大使協議会」の集会に仲井真弘多元知事と参加していたほか、台湾や韓国で開かれた関連団体のイベントに参加していたとみられる。現在は一部投稿が削除されている。一方、佐喜真氏を含め、自民党国会議員の政治資金収支報告書で、同連合や関連団体からの寄付は確認できなかった。

 知事選に立候補を表明している現職の玉城デニー知事は22日の定例記者会見で旧統一教会との関わりについて「私が記憶する限り、そのような団体との関連性は一切ないと認識している」と述べた。前衆院議員の下地幹郎氏は取材に対し「関わりはない」と述べた。

 世界平和統一家庭連合那覇教会は那覇市内にある。政治資金収支報告書によると、同連合の関連団体とされる反共産主義の政治団体「国際勝共連合沖縄県本部」も同じ建物を住所として届け出ていた。那覇教会や勝共連合県本部に取材のために留守番電話にメッセージを残すなどしたが、25日までに返信はなかった。

 関連団体の集会に参加したことがあるという、ある市町村議員は取材に対して「人口減少などの勉強会で呼ばれたが、選挙などで手伝ってもらったり、寄付されたりしたことはない。宗教の話は一度もしたことがない」などと話した。
 保守系の候補者を支援しているのかについて、東京都にある世界平和統一家庭連合本部は「宗教法人である世界平和統一家庭連合が、特定の政党、候補者を組織的に応援することはない。信者の政治参加、信条に関して把握していない」などと述べた。

 旧統一教会に関して、安倍晋三元首相が銃撃された事件で、山上徹也容疑者が同教会に恨みを募らせ、犯行に及んだとされる。旧統一教会は新興宗教として韓国で誕生し各国に拡大。日本でも多くの信者を獲得したが、80年代には、先祖供養などを名目に美術品や宝石など高価な品を訪問販売する手法が「霊感商法」として社会問題となった。安倍氏の事件をきっかけに、政治と宗教団体とのつながりが改めて問われている。 (池田哲平)