エアー沖縄、ANA傘下に 雇用継続、千人体制へ


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 那覇空港で全日本空輸(ANA)の旅客支援業務を行うエアー沖縄(那覇市、大西準次社長)は16日、子会社で地上支援業務のグランドシステム沖縄(那覇市、大西社長)と来年4月に経営統合し、新会社を設立すると発表した。新会社はANAホールディングスの出資を受け、ANAグループの傘下に入る。新会社の出資比率や名称、経営体制などは年内をめどに固める。従業員は全て新会社で継続雇用することから、経営統合により千人規模の体制となる。

 エアー沖縄グループとANAホールディングスは16日に経営統合後のANAグループへの参画について基本合意した。エアー沖縄は「ANAグループに参画することにより得られるさまざまなサポートを効果的に活用しながら、引き続き沖縄の経済、産業発展に貢献する企業になることを目指す」とコメントを発表した。
 ANAは那覇空港を拠点に国際貨物事業や航空機整備基地構想の事業展開を進めることや、第2滑走路増設後の海外の格安航空会社(LCC)の就航増加をにらみ、地上支援業務のグループ化により一貫したサービス体系や業務の効率化を図る狙いがある。
 エアー沖縄は1964年の創業以来、ANAから委託を受けて那覇空港ターミナルでの搭乗手続きや飛行機誘導などの地上支援業務を行ってきた。81年には地上支援業務を分離し、完全子会社のグランドシステム沖縄が発足した。
 現在は受託先を拡大し、ANAのほかソラシドエアなどの国内航空会社3社、アシアナ航空など海外航空会社5社の計8社からも地上業務を受託している。グランドシステム沖縄は、那覇空港でのANAの国際貨物事業の取り扱い業務も担っている。1日現在の従業員数はエアー沖縄が384人、グランドシステム沖縄が681人。
 エアー沖縄の上原智也取締役によると、ANAグループ参画は2年ほど前から両者間で話し合いを進めていた。「全日空は那覇空港を最重要戦略基地として位置付けている。当社がグループの一員になることで、さらなる事業拡大、競争力の向上、人材育成・確保が望める」と話した。