下地幹郎氏「政府頼らず社会整備」 知事選立候補予定者インタビュー


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知事選に向けて意気込みを語る前衆院議員の下地幹郎氏=22日、那覇市おもろまちの事務所(ジャン松元撮影)

 8月25日告示、9月11日投開票の県知事選挙に向けて、琉球新報が実施したインタビューで、立候補予定の3氏は県民福祉の向上や新型コロナウイルス対策、経済発展に向けた決意を訴え、各氏の考え方の違いが浮き彫りとなった。知事選は告示まで1カ月を切り、短期決戦の様相を帯びる。各氏は政策論議を深め、有権者への浸透を図る構えだ。(’22知事選取材班)

 ―出馬の決意を。

 「子どもの貧困などの生活問題、基地問題の対立、ザル経済の三つを見ても沖縄を変えなければいけない。保守、革新で交互に知事を担ってきたが、解決しない。日本政府、ホワイトハウスに毅然(きぜん)とした態度でものを言う。経済を自分で創り上げるという自信がないと、同じ結果しか生まれてこない。培ったキャリアを生かして解決する」

 ―経済、振興策は。

 「10年間で一括交付金は約1千億円カットされた。一定程度の金額を自由に使えるという考え方だったが変質した。国に頼りきりだと差配される。民間活力を使って投資を増やし、雇用や税収を集めることが必要だ。民間活力を誘発するためにも、土地の高度利用や用途変更を進める。開発認可も、早急に結論を出すことで投資が増える」

 「社会インフラ整備は(民間資金や知恵を活用する)『PPP/PFI』を取り入れる。地元企業を優先し、徹底的な沖縄ファーストを進める。学校給食やホテルで県産野菜、製造業が菓子や土産に県産品を積極的に使うなど、好循環を生み出す。中央にお願いすることは何もない。お金に頼らなければ、基地問題でものを言える」

 ―新型コロナ対策は。

 「離島県沖縄で必要なのはゲートチェックで、これは沖縄でしかできない。PCR検査を徹底して、搭乗時に唾液を採取して検査する。そのことでホテルも安心できる。県民は誰でもどこでも、すぐに24時間無料で検査できるようにする。保健所と病院の負担を減らすためには徹底的に療養施設を増やすことが必要で、規模の大きな施設を使い、効率的で負担を減らすことができる」

 ―辺野古問題の解決策は。

 「馬毛島(鹿児島県)の着工は沖縄の基地問題を解決する大きなエネルギーとなる。訓練の移設で、軟弱地盤を埋め立てる必要性がなくなっている。すでに埋め立てられた場所は格納庫として使う。このことで、宜野湾の騒音や危険を除去するために辺野古が必要だとの論理は崩壊し、軟弱地盤は埋め立てずに、普天間の危険性除去ができる。今まで対立してきた二つの考え方が実現し、沖縄の対立の構図をなくす要素になる」

 ―玉城県政の評価は。

 「オール沖縄の翁長雄志前知事、玉城デニー知事は辺野古を埋め立てさせないと、ワンイシュー政策を訴えた。だが、辺野古は埋め立てられ、まさに自らの政策を遂行できなかった。国の責任だと押しつけるのではなく、止められなかったことを率直に認めなければならない。今回の選挙は保守の分裂ではなく、辺野古を終わらせるのか、終わらせないのかを問うことが最大の争点だ」


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