玉城デニー氏「誇りある沖縄を構築」 知事選立候補予定者インタビュー


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知事選に向けて意気込みを語る現職の玉城デニー氏=25日、那覇市銘苅(大城直也撮影)

 8月25日告示、9月11日投開票の県知事選挙に向けて、琉球新報が実施したインタビューで、立候補予定の3氏は県民福祉の向上や新型コロナウイルス対策、経済発展に向けた決意を訴え、各氏の考え方の違いが浮き彫りとなった。知事選は告示まで1カ月を切り、短期決戦の様相を帯びる。各氏は政策論議を深め、有権者への浸透を図る構えだ。(’22知事選取材班)

 ―出馬の決意を。

 「首里城焼失や豚熱、そして新型コロナウイルスの影響が2年余り続く状況の中、子どもの貧困問題や県民所得向上などの課題にまだ十分な手だてが講じられているとは言えない。コロナの影響を受けた経済を回復させ、本年度開始の新沖縄21世紀ビジョンの未来、平和で豊かな沖縄に向かい全身全霊で取り組む」

 ―4年間の評価は。

 「新時代沖縄の到来、誇りある豊かさ、沖縄らしい、優しい社会の構築に向けて公約を策定した。新たな事象に対する取り組みやSDGsの推進などにも取り組んだ。291の公約全てに着手し、287の事業を進めている」

 「就学援助金の拡充や低所得世帯の中高生バス無料化、全市町村の協力で中学卒業までの通院費の窓口無料化をし、子どもの貧困問題と、公平公正な形で子どもの暮らしを支える施策を実現している。誰一人取り残さない、沖縄らしい、優しい社会実現の取り組みができてきている」

 ―経済、振興策は。

 「新型コロナ対策として20年3月から21年度までに5297億円の予算を組んだ。22年度は過去最高の8千億円規模の予算を組んだ。引き続き感染症対策と経済回復をしっかりと捉えながら、新21世紀ビジョンで掲げる施策を前進させようとの意気込みでこの当初予算を組んだ」

 ―新型コロナ感染症対策、医療福祉政策は。

 「医療資源が非常に限られ、ほとんど余裕がない状態で医療関係者に協力してもらっている。保健所業務の逼迫(ひっぱく)を受け医療コーディネーターを中心にしたチームで直接入院措置を取るなどしている。『沖縄ならではの方法で非常に有効だ』と厚生労働省のリエゾンからも評価してもらった」

 「収束が見えない現状ではPCR無料検査の継続や一時待機ステーションの稼働など漏れのない取り組みをする」

 ―辺野古新基地建設や基地問題について。

 「辺野古新基地建設には断固反対の立場を堅持している。公有水面埋立法に基づき、厳正な審査の結果、沖縄防衛局から出された変更承認申請を不承認とした。水面下90メートルまで及ぶ軟弱地盤改良の経験や技術などがない現状からすると、恐らく想定以上の年月が掛かり、沖縄の基地負担軽減に全くつながらない。普天間を1日も早く閉鎖返還すべきで、政府には辺野古が唯一という解決策にとらわれず、対話で解決策を見つけるという県の要請に真摯(しんし)に応えてほしい」

 「県民の生活と人権が脅かされている問題は、日米地位協定を抜本的改正せずして解消されることはない。これからも沖縄の基地問題への理解と協力を全国に発信したい」


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