社会
セピア色の春―高校人国記

島から海外雄飛を夢見た少年 三線の技を磨き人間国宝に 久米島高校(1)<セピア色の春―高校人国記>

「仲間節」を独唱する中村一雄

 海外雄飛を夢見た少年は今、沖縄古典音楽の世界をひたすら歩んでいる。国指定重要無形文化財保持者(人間国宝)の中村一雄(76)は久米島高校の17期である。

 農家の二男として生まれた。家族を手伝い畑仕事にいそしむ少年期、海外移住の夢を抱くようになる。「昭和30年ごろ、親類がブラジルに渡った。僕もブラジルで農業をしたかった」と中村は語る。久米島高では農業科で学んだ。

 そんな中村は銀行員となる。三線を手にした時には22歳になっていた。「娯楽のない島で何かやろうと考えた時、三線を思いついた」。懸命に稽古を重ね、技を磨いていく。

 古典音楽の道を歩む中で幼少時の夢が形を変えて実現した。1978年10月、ブラジル移住70周年を記念した公演である。芸能団の一員としてブラジルを訪れた中村を久米島出身者は歓待してくれた。「夢に見たブラジルに来たんだ」

 三線が中村をブラジルに導いてくれた。

(文中敬称略)
(編集委員・小那覇安剛)
 


続きは>>卒業後に古典音楽の世界へ 今への思い忘れず 中村一雄さん



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