Coccoさんら卒業生も舞台に 創作と音楽で60周年を彩る 飯島バレエスクール公演


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「月桃」に乗せて舞う飯島バレエスクールの生徒ら=7月17日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール大ホール

 創立60周年を迎えた飯島バレエスクール(飯島礼子主宰)の「第51回定期公演」が7月17日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール大ホールで開催された。生徒ら70人が出演し、古典の抜粋や平和音楽家の海勢頭豊の音楽に振り付けした創作などを披露。卒業生のCoccoや、砂川世里奈、玲実くれあ、上原里佳らが舞台に花を添え、60周年を盛大に祝った。

 幕開けは中高等科の生徒らによる「パキータ」より抜粋。ジプシーの娘パキータ役を福島瑠渚、フランス軍将校ルシアン役を砂邊良晴が担った。連続回転やジャンプに手拍子が沸いた。元宝塚歌劇団の玲実くれあは「花」(喜納昌吉)を歌と踊りのパフォーマンスで披露。

 第2部は歌手デビュー25周年を迎えたCoccoの歌に乗せて、在校生や卒業生、飯島主宰が踊りで共演した。幕開けにCoccoは「てぃんさぐぬの花」を伸びやかに歌い、宮古支部の生徒が柔らかく舞った。

 今年発売したアルバム「プロム」収録の「ままいろ」では飯島主宰がソロで、代表曲「強く儚(はかな)い者たち」では、カザフスタンの国立劇場で活躍した砂川、玲実、上原ら卒業生ら8人のダンサーが幻想的な舞を披露し、拍手や歓声が会場を包んだ。

 最後は、飯島主宰が敬愛する海勢頭の代表曲に創作したバレエ「パピリオンの思い出~海勢頭豊の世界~」(飯島、花城有咲振付)で飾った。「お母ァの子守歌」「花風歌」「さとうきびの花」「トラジの花」「七つ星のうた」「カベールの彼方(かなた)」などに振り付け。戦後沖縄の心や祈りを歌った楽曲に乗せて表情豊かな群舞で圧倒した。

 飯島主宰は、1962年に那覇でバレエ研究所を開設。沖縄洋舞協会(南條喜久子会長)の指導者らと、当時那覇市にあった海勢頭のライブハウス「パピリオン」を訪れたという。創作には飯島主宰の沖縄での思い出や沖縄に対する思いなどを込め、スクール60年の歴史を感じさせる作品だった。

 フィナーレは、海勢頭の代表曲「月桃」を出演者全員が平和や反戦への願いを込めて披露し、会場は温かい拍手に包まれる中で終演した。
 (田中芳)

「パキータ」より抜粋でパキータ(手前右・福島瑠渚)とルシアン(同左・砂邊良晴)ら
Cocco(左)が「ままいろ」を歌い、艶やかに舞う飯島礼子主宰(右)

「舞台の楽しみ多くの人に」元宝塚歌劇団で沖縄出身の玲実くれあ、7月の飯島バレエスクール定期公演にゲスト出演