prime

「人生100年時代」の介護への備え 保険は「契約者代理人」の検討も <けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 ご自分の資産を誰に渡すかは、これまでは話しづらいことでしたが、人生100年時代と言われる昨今、「終活」「エンディングノート」という言葉の認知度が高まるにつれて、相続・贈与について相談する方が増えています。しかし、介護について備えている方はまだ少ないように感じます。

 誰でも年齢を重ねるとともに、介護状態になるリスクは高まります。厚生労働省の介護保険事業状況報告によると、要介護・要支援認定者数は年々増え続けています。これまでは一人で出来たことも誰かの手助けを受けないと生活に支障が生じ、また、介護施設などに入所となると費用もかかります。

 最近では介護に関する保険も増えていますので、新たに保険に加入することを検討してもいいのですが、まずは、ご自身が契約されている保険契約の見直しとして、契約者に代わって一定の手続きをとることができる「契約者代理人」を指定してみてはいかがでしょうか。ご自身が認知症などで意思表示が困難な状況になった場合でも、ご家族の中から契約者代理人を指定していれば、代理人の方が契約内容の確認や解約請求などの手続きを、契約者に代わって行うことができます。

 介護などの費用や急な出費で資金が必要な時に、保険を解約して支払いをしたくても、ご自身が認知症などで意思表示ができない時は、保険の解約はできません。契約者代理人の指定は、ほとんどの保険会社で簡単に手続きがとれますので、加入されている保険内容を今一度確認してみてはいかがでしょうか?

(沖縄銀行営業推進部上席調査役 比嘉昌敬)