国交相の裁決巡り提訴へ 沖縄県、不承認取り消し受け方針 辺野古の設計変更申請で


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埋め立て工事が行われている名護市辺野古の沿岸部

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、沖縄防衛局による軟弱地盤の改良工事に向けた設計変更申請を県が不承認とした処分を斉藤鉄夫国土交通相が取り消した裁決を巡り、県が提訴する方針を固めたことが9日、関係者への取材で分かった。

 国交相は行政不服審査法に基づく沖縄防衛局の請求に応じ、県の不承認を「裁量権の範囲を逸脱・乱用したもので違法かつ不当」として取り消した。

 県は総務省の第三者機関・国地方係争処理委員会(係争委)に裁決を「無効で、違法な国の関与」として審査を申し出ていた。係争委は7月12日、「国の関与に該当しない」として県の申し出を却下した。県の提訴はこの係争委判断への不服を理由とする。

 設計変更の不承認を巡って県が提訴に踏み切るのは初めてで、新基地建設を巡る県と国の訴訟は10件目となる。係争委判断を不服とする訴訟は、8月12日が提訴期限となっており、県は提訴時のメリット、デメリットや主張の根拠の検討を弁護団などと進めてきた。他方、玉城デニー県政は新基地建設反対を強固に掲げてきただけに、関係者は「訴訟は既定路線だ」と淡々と語った。
 (塚崎昇平)