ホテル業務を在宅で オンライン勤務を推進 ひとり親や妊婦が働きやすく 沖縄県ホテル協会が人材育成事業


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
オンライン勤務の戦略的活用をPRする県ホテル協会の実行委員ら=16日、那覇市のホテルパームロイヤルNAHA

 新型コロナウイルス禍でのホテル業界の離職に対応するため、県ホテル協会(平良朝敬会長)は、県内のホテル事業者を対象に、オンラインによるリモート勤務が可能な環境づくりを進めている。ひとり親や妊婦など、ホテル現場で働くことが難しい人の活躍できる場を増やすことを目的としている。

 同協会は、2022年度沖縄型産業中核人材育成事業として、「オンライン勤務の戦略的活用による、ホテル業界の潜在・休眠人材の戦力化」の参加者を募っている。働く側の「オンライン顧客創出エキスパート」と、管理者側の「オンライン業務取り入れ推進者」の2者を養成する。

 平良会長は「ホテル単位で推進しているところはあるが、協会などの団体としてオンライン勤務の推進に取り組むのは国内で初めてのことだ」と話した。

 多様な働き方を推進することで、SDGs(持続可能な開発目標)の実現とともに、潜在的な働き手を掘り起こし、ホテル業界の発展につなげたい考え。業務のIT化促進と生産性向上も見込んでいる。

 働く側は、ホテルの顧客や予約管理、SNS発信の運営、オンライン口コミ評判の情報収集・分析などの知識や技能を学ぶ。

 管理者側は、オンライン勤務を社業に取り入れるために、労務管理や業績評価の方法論の習得、出勤とオンライン勤務を効率的に組み合わせる発想や知見の獲得などを目指す。

 ホテルパームロイヤルNAHAでは、20年の新型コロナ感染拡大当時に妊婦だった予約課の女性従業員の在宅勤務を取り入れた。在宅勤務には情報漏洩などのリスクもあるが、同ホテルではオンライン勤務時の就業規則を設けるなどの工夫をした。現在、リモートと対面のハイブリッドで業務をこなす女性従業員は「ワークライフバランスにはとても満足している」と話した。

 人材育成事業の定員はそれぞれ25人で、応募締め切りは28日まで。詳細や応募はhttps://www.okinawahotelassociationproject.com/から。
 (與那覇智早)