【宜野湾】宜野湾市長選の立候補予定者を招いた21日の座談会では、現職の松川正則氏(68)と「9・29県民大会の会」会長で新人の仲西春雅氏(61)が経済振興や子育て、福祉政策などで独自の政策を訴えた。米軍普天間飛行場の移設問題では、容認と反対で考えが分かれ、それぞれ返還・撤去に向けた具体的道筋を示した。クロス討論では経済の立て直しや増収への取り組みのほか、公約などに対する疑問をぶつけ合い、白熱した議論が交わされた。 (’22宜野湾市長選取材班)
(文中敬称略)
仲西氏 子ども核に街づくり
松川氏 実態把握し個別対応
―子育て支援にどう取り組むか。
仲西 全国平均より出生率は高いが、宜野湾市でも少子化が進んでいる。子どもを育てやすくすることは、この日本で何よりも優先するべき政策だと考える。兵庫県明石市は、子育て支援を厚くして人口を増やし、人気の地域になることで地価が上がり、税収を増やし、他の福祉政策に使っている。循環型のサイクルが完成しつつある。この政策を参考に、宜野湾市で子どもを核とした街づくりを進めていく。まず給食費の無料化を県と一緒に実現する。伊波洋一、安里猛市政の時代は県内で先進地だった、子ども医療費助成のさらなる拡充を実現する。
松川 コロナで厳しい生活状況を聞いている。宜野湾市は60周年を迎えて人口が10万人を超えた。給食費は小学校で半額助成している。膨大な予算を組まないといけないが、県と一緒になってやれればいい。医療費については次年度はすでに予算組みをしている。18歳までは無料化の方針だ。困窮世帯の児童の学習支援をしないと負のスパイラルから抜け出せない。ヤングケアラーなど実態把握をして、個々に応じた支援をしていく。支援をひとまとめに言うが、経済を引き上げることで雇用が生まれ、生活の向上につながる。全体的なことを追求したい。
松川氏 学習環境の充実を
仲西氏 誰も取り残さない
―教育・福祉施策への取り組みは。
松川 小中学校にスクールソーシャルワーカーや学習指導員を配置している。医療的ケア児の支援もいち早く取り組み、学校で受け入れている。当然、看護師も配置する。充実した教育環境整備のために、Wi―Fi環境を整える。そのことが教員の負担軽減につながる。
火葬場建設も取り組む。市民の要望も高い。障がい者の就労支援や福祉関連の相談窓口の一元化も進める。市は認知症の高齢者の支援で、道に迷った場合の早期発見のため公民館や自動販売機などにセンサーを設置している。福祉・教育で整備拡充できるものは、声を拾い上げていく。
仲西 誰一人取り残さない安心して学べる教育環境をつくる。市独自の給付型奨学金を創出し、家庭環境に左右されずに進学できる仕組みを作る。また教員の過度な業務負担は教育現場の大きな課題だ。30人学級を実現し、教職員のサポートを充実させる。学校給食費の無料化を目指す。
市でも少子高齢化が進み、地域福祉を支える基盤づくりが急務だ。市民の健康と福祉を守る拠点施設である「総合福祉健康増進センター(仮称)」の建設整備を推し進める。バリアフリーの街づくりを推進し、障がいを持つ市民も健常者も安心して暮らせる地域づくりを推進する。
出席者
松川正則氏(68)=無所属現職、自民、公明推薦
仲西春雅氏(61)=無所属新人、共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦
司会 島袋良太(琉球新報社中部報道グループ長)