【詳報③】宜野湾市長選 市の未来像は?経済活性化にどう取り組む? 立候補予定者座談会


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宜野湾市上空(資料写真)

 【宜野湾】宜野湾市長選の立候補予定者を招いた21日の座談会では、現職の松川正則氏(68)と「9・29県民大会の会」会長で新人の仲西春雅氏(61)が経済振興や子育て、福祉政策などで独自の政策を訴えた。米軍普天間飛行場の移設問題では、容認と反対で考えが分かれ、それぞれ返還・撤去に向けた具体的道筋を示した。クロス討論では経済の立て直しや増収への取り組みのほか、公約などに対する疑問をぶつけ合い、白熱した議論が交わされた。 (’22宜野湾市長選取材班)
 (文中敬称略)


松川氏 新交通システム導入
仲西氏 子育て推進で人口増

 

 ―思い描く宜野湾市の未来像は。

 松川 市長として行政を担ってきたが、実行力を含めて、職員の皆さんが一生懸命アイデアを出して、非常に街が活性化している。市民の皆さんが「宜野湾市に住んでよかった」「宜野湾が一番だ」と思えるような街づくりに取り組みたい。それに向けては、普天間飛行場の返還跡地が宜野湾の開発・発展をリードすることになる。モノレールの延伸、鉄軌道の導入といった、新交通システムも考えないといけない。普天間飛行場があるために、いびつな街づくりになっている。一日でも早く返還してもらいたい。近い将来は化石燃料の脱炭素社会を目指す。スケートボード競技も盛んになっており、スケートボード場を市民広場に建設する準備を進めている。屋外劇場をリニューアルし、3千人から8千人の規模にする。市民の暮らしをより良くするような形で取り組んでいき、宜野湾が一番だと言われる街にしたい。

 仲西 宜野湾市の未来は明るい。本島中南部は県民の約117万人が暮らし、その真ん中に位置するのが宜野湾市だ。宜野湾市の返還跡地は沖縄の振興・発展の基盤となる。返還跡地がより発展するためには、そこで活躍する人材の育成が必要だ。子どもの安心安全、子どもを核とした街づくりを進める。将来、普天間飛行場跡地で活躍する子どもたちの育成に力を入れる。子育て政策を進め、子育て世代流入で人口を増やし、地域の価値を上げ、税収を上げていく。増えた税収でさらなる福祉政策を推進し、子どもから高齢者、障がいがある人ない人、外国人、LGBTQ当事者など、誰もが安心して住める宜野湾市をつくっていく。新都心を見れば分かるように、基地返還後は経済効果が大きい。基地が経済発展の阻害要因だと言うことははっきりしている。返還跡地は市民の意見を聞き、整理し、利用していく。

仲西氏 飲食・卸売業回復へ
松川氏 公共事業を多く発注

 

 ―新型コロナウイルスで落ち込んだ経済の活性化と雇用創出にどう取り組むか。

 仲西 県では翁長前知事以降、「アジアのダイナミズムを取り入れる」というアジア経済戦略に基づき、2019年には日本全国でも最高の経済成長率を誇った。一方でコロナでリーディング産業である観光業に大きな影響が出ている。そこで宜野湾市では中小地場産業、特に影響が大きい飲食業や卸売業への支援と、需要喚起策などの経済回復対策に取り組む。収束後、インバウンドを含む1千万人の観光客を宜野湾市に呼び込み、宜野湾市に泊まり、地域で消費できるような世界水準の都市型観光・リゾート地の形成を目指す。

 松川 国費の取得をしながら、公共事業をリードして進めることが一番大事だ。公共事業をできるだけ多く発注し、企業に頑張っていただくことで所得を上げ、さまざまな経済が回ると考えている。市商工会とも連携し、小規模事業者の相談窓口などの支援も実施している。商工会の会館が非常に老朽化しているため、産業支援センターの設置を考えている。ITなどを活用した形での、非対面型のビジネスなど、柔軟な仕組みを作りたい。その上で、誰もが起業しやすくなるような環境作りに商工会と一緒になって取り組みたい。


出席者

 松川正則氏(68)=無所属現職、自民、公明推薦
 仲西春雅氏(61)=無所属新人、共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦

 司会 島袋良太(琉球新報社中部報道グループ長)