人口減、50年後39市町村、地域振興への対策必要 りゅうぎん総研、県内将来推計


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 りゅうぎん総合研究所(伊東和美社長)は22日、県内市町村の将来推計人口を発表した。2020年の国勢調査では全41市町村のうち那覇市など20市町村が2015年比で人口が減少しており、2025年までには全体の7割超となる29市町村が2020年比で減少する見通しであることが分かった。50年後の2070年の人口は南風原町と中城村を除く39市町村で2020年の人口を下回る水準まで減少が進む見通しで、同研究所はさらなる少子高齢化に備えた対策の必要性を強調している。

 2020年から2070年までの人口増減を年齢3区分別で見ると、年少人口(0~14歳)と生産年齢人口(15~64歳)が全市町村で減少すると予測する。一方で、65歳以上の老年人口は23市町村で増加する見通しで、人口減とともに人口構成の高齢化が進む。本島北部や離島など、既に高齢化が進む自治体は全ての区分で減少するとみる。

 りゅうぎん総研の推計では、県内市町村の人口について2030年までに本島北部や離島の全てを含む33市町村が人口減少になるとみる。2030~35年にかけて沖縄、宜野湾、八重瀬の3市町、2035~40年にかけて豊見城、与那原の2市町が減少に転じ、南風原町と中城村も2050~55年にかけて減少が始まるとしている。

 2070年時点の人口は、南風原町と中城村はまだ2020年を上回っているものの、その他は全て2020年よりも少なくなっており、粟国村で69・7%減、多良間村で61・4%減、座間味村で60・7%減と大きな減少率となっている。

 地域別では、北部が20年比で27・1%減となり、南部が同20・7%減、八重山が同17・7%減と続く。県人口に占める構成比は、1位の那覇市から5位まで20年と同じ順位だった。

 調査を担当したりゅうぎん総研の金城毅上席研究員は「沖縄でも全国より緩やかだが少子高齢化が押し寄せている。県や市町村はさらなる高齢者対策や子育て支援に力を入れるとともに、地域振興のために関係人口の創出にも取り組む必要がある」と分析する。

 将来推計人口の推計について、りゅうぎん総研は国の推計でも用いる「コーホート要因法」に基づき、国勢調査や人口動態調査、住民基本台帳人口移動などのデータを用いている。
 (小波津智也)