県内最大の政治決戦となる沖縄県知事選が25日に告示され、17日間の選挙戦の幕が開けた。立候補を届け出た下地幹郎さん(61)、佐喜真淳さん(58)、玉城デニーさん(62)はそれぞれの決意を示す場所で第一声を上げ、選挙戦のスタートを切った。各候補者とも県内各地を駆け回って有権者と触れ合い、支持を訴えた。有権者からは新型コロナウイルス対策や基地問題など多岐にわたる県内の課題解決を求める声が上がった。(’22知事選取材班)
<下地陣営>「新しいやり方」に声援
下地幹郎さんの陣営は午後6時半から沖縄市の胡屋十字路で街頭演説会を開き、オレンジ色の鉢巻きを締めた支援者らが集まった。選対本部長を兼ねる當山護後援会長は「下地幹郎を当選させて沖縄の未来に期待してほしい。他の候補者とは違う味わいのある知事になる」と呼び掛けた。
下地さんが「保守革新ではない新しい流れをつくる。辺野古問題を終わらせる。今までの知事とは違うやり方をする」と話すと、支援者から「頑張れよー」と激励の声や拍手が上がった。
演説を聴いた60代の男性は「下地さんの政策には夢があり、言葉に力がある。猪突猛進(ちょとつもうしん)してほしい」と話した。
<佐喜真陣営>「未来へつなぐ」に拍手
佐喜真淳さんの陣営は午前8時半から那覇市の県民広場で出陣式を開いた。選対本部長の松本哲治浦添市長が「佐喜真淳を先頭に、県民の未来をかけた戦いが今日から始まる」とスタートを告げると、支援者らからは熱い拍手が送られた。
佐喜真さんが「基地問題を終わらせて未来へとつなげていく。これができるのは私しかいない」と語気を強めると、「そうだ」という歓声が上がった。最後は支援者と声を合わせ、ガンバロー三唱で締めくくった。
出陣式に参加した50代の男性は「政府と連携して予算をとり、経済と基地問題の解決に力を入れてほしい」と話し、期待を寄せた。
<玉城陣営>「負けてならぬ」に歓声
玉城デニーさんの陣営は午後6時から那覇市の県民広場で出発式を開いた。選挙母体「ひやみかちうまんちゅの会」会長の城間幹子那覇市長は「保革の立場を超えて建白書を実現し、子や孫に豊かな沖縄を残そう」と結集を呼び掛けた。
玉城さんが「すべての人の人権を守り、みんなが明るく笑顔で暮らせる沖縄の未来のため力を貸してほしい。まきてー、ないびらんどー(負けてはいけない)」と支持を求めると、聴衆から大きな歓声が沸いた。
出発式に参加した20代の女性は「基地問題の目標は移設ではなく完全になくすことだ。そこに向かって頑張ってほしい」と期待した。