【深掘り】結果次第で主導権変動も 沖縄県議補選 議席は与野党同数できっ抗 知事選と同日投開票


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 那覇市長選出馬を表明した翁長雄治(たけはる)氏の県議辞職に伴い、知事選と同日の9月11日に急きょ実施されることとなった県議補選(那覇・南部離島地区)を巡り、候補者擁立の動きが活発化している。翁長氏が辞職したことで、議長を除いた県議会構成は与党23、野党・中立23と拮抗(きっこう)する。県議補選を勝ち抜いた勢力が県議会の主導権を握るため、「オール沖縄」と自民党の与野党双方にとって重要な選挙となる。

沖縄県議会議会棟(資料写真)

 オール沖縄は、翁長氏が24日に開いた那覇市長選への出馬会見で、後継の県議候補として那覇市議の上原快佐氏(42)を補選に擁立することも明らかにした。知事選の玉城デニー氏や翁長氏とのセット戦術で支持固めを図る方針だ。

 自民の機先を制したオール沖縄勢だが、NPO法人代表理事の糸数未希氏(49)が県議補選への出馬を表明したことで、目算が狂った面がある。糸数氏は27日に出馬会見を開く。

 糸数氏は、オール沖縄会議共同代表の糸数慶子前参院議員の長女で、加えて名護市辺野古の新基地建設に反対の姿勢を示している。一時は糸数氏に那覇市長選への立候補を求める有志の動きがあったこともあり、オール沖縄が期待するリベラル支持層の票が割れる可能性がある。

 県議補選を想定していなかった自民党の動きは鈍かった。業を煮やしたかりゆしグループオーナーの平良朝敬氏が、玉城県政野党として自ら立候補する姿勢を示し、自民の擁立作業をけしかける動きもあった。

 事態が動いたのは25日。元参院議員の西銘順志郎氏(72)と市議の大山孝夫氏(41)が、自民県連1区支部の幹部にそれぞれ出馬の意向を伝えた。

 国政経験がある重鎮の西銘氏が出馬の意欲を示し、元知事で父の順治氏から続く「西銘ブランド」への期待感は大きい。一方で、政界引退から15年が経過したことへのブランクを懸念する声もある。「市議団優先」を主張する声もあり、1区支部内でも意見の集約、議論の方向性はまだ定まっていない。

 自民県連関係者は「(西銘氏と大山氏の)どちらが知事選と相乗効果を出せるかが重要だ」と指摘。9月2日の県議補選告示のタイムリミットが迫る中、急ピッチで人選を進める。

(大嶺雅俊、知念征尚)