松川氏「辺野古やむを得ず」、仲西氏「辺野古は認めない」 基地問題<宜野湾市長選・公約比較>①


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 9月11日投開票の宜野湾市長選には、2期目を目指す現職の松川正則氏(68)=自民、公明推薦=「9・29県民大会の会」会長で新人の仲西春雅氏(61)=共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦=が立候補を表明している。両氏の主張の争点や独自の政策を、政策発表会見や琉球新報社が実施した座談会などでの取材を基に比較する。

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 市の最重要課題に位置付けられる米軍普天間飛行場の移設問題については、松川氏、仲西氏ともに、「早期閉鎖・撤去」を訴えるが、名護市辺野古の移設問題では考えが異なる。

 早期の返還・撤去について、松川氏は、全面返還合意から26年経過するが「危険性は放置されたままだ。騒音被害、子の教育環境も含めて市民が被害を受けている。まちづくりにも影響を及ぼしている」とし、返還時期の明確化、航空機騒音に対する軽減策を日米両政府に求めることを掲げる。

 仲西氏は、日本政府が約束した同飛行場の「5年ないし7年」の運用停止の順守を県と一体となって求める考えだ。「市民の安全を脅かし、市の経済発展も妨げている」としてオスプレイの飛行停止と配備撤回、航空機騒音措置の日米合意の徹底などを要望する。

 両氏の意見が異なる辺野古移設については、松川氏が「国防、外交は国の専権事項であるが、(辺野古の)工事が30%も進んでいることからすると移設はやむを得ない」と容認の立場を示している。その上で、政府に埋め立てられた場所の段階的活用も要請しているとし、政策には「返還まで目に見える市民の基地負担の軽減」を挙げ、常駐機の移設先への移駐を盛り込む。

 仲西氏は「県民投票の民意に基づき、移設は認めない」と明言する。県民投票で市民の66・8%が移設に反対し、移設先は軟弱地盤で完成の見通しが立たないとして「唯一の解決策としているのは思考停止で危険性の放置だ」と、県外・国外への移転を求める。返還に伴う基地従業員の雇用問題は政府の責任で全面解決させるとしている。

 市面積の約4分の1を占める同飛行場の跡地利用法も注目される。松川氏は新たな法整備も含めた予算確保、仲西氏は緑地を生かした公園整備などに取り組む。

  (新垣若菜)