【うるま】3年ぶりのエイサーまつりに向けて、沖縄県うるま市の屋慶名青年会では132年の歴史を誇るエイサー継承の難しさに直面した。コロナ禍で演舞する機会が減り、複雑な隊列が特徴の屋慶名エイサーの経験者が少なかった。今年は約30年ぶりに成人会が立ち上がり、青年会OBらが現役世代を支えた。屋慶名自治会の森根隆会長(48)は「久々のまつりで青年会もOBも燃えていた。難しい隊列をみなで頑張って完成させた」と胸を張った。
屋慶名青年会は約60人おり、18~24歳で構成されている。エイサーの特徴の一つとして、エイサー隊や踊り手らが縦横無尽に動き、変化する隊列がある。しかし、コロナ禍で2年間のブランクが生じ、教えられる年長者が限られた。今年は代わりにOBが指導を請け負った。
例年なら2、3週間で完成する隊列だが、コロナ感染者が出たために1週間で間に合わせた。森根会長は「同じ先輩が毎日教えて、ずーっと踊り続けていた。大変だった」と振り返った。
森根会長によると、少子化のため青年会の担い手は数十年前より減っている。高校卒業後に進学し、地元に帰らない人も増えた。そんな中、今年8月に立ち上がったのが成人会だ。「自分たちが楽しんで盛り上がってるだけ」と笑うが、児童館で教えるなど後輩の育成に力を注ぐ。森根会長は「青年会、成人会、こども会のみなで力を合わせて継承していきたい」と誓った。
(古川峻)