ホテルで磨いた本格和食をカジュアルに 味処てるきな(石垣市)<うちなー味まーい>60


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「味処 てるきな」のランチで人気の松花堂=25日、石垣市新栄町

 おいしい和食が食べたい―。そんなことを思っていたころ、たまたま石垣市内に住む親類から連絡があった。「良い店があるから行ってみるといい」。紹介されたその店「味処 てるきな」は、本格的な和食をカジュアルに楽しむことができる人気店だ。

 店は大将の照喜名秀寿さん(50)と、妻で女将(おかみ)の洋子さん(62)が切り盛りする。夜は秀寿さんが調理場に立つが、ランチを担当しているのは洋子さんだ。高校卒業後から十数年にわたって、都内の高級ホテルの料理人として腕を磨いてきた秀寿さん考案のメニューを、手頃な価格で提供している。

 ランチメニューには煮魚定食や天ぷら定食など和食の定番が並ぶが、1番人気は、1日限定5食の松花堂(1400円)だ。

 弁当箱の中には和食らしく、煮物や焼き物、刺し身などが色鮮やかに盛り付けられている。季節に合わせた旬の食材を意識して、時期に合わせてメニューも変えている。「日本料理は目から入るので、見た目の美しさも気にかけている」(秀寿さん)と大将のこだわりが表れた一品だ。洋子さんも「お客さんが弁当箱のふたを開けたときに『わぁ』と喜んでくれるのがうれしい」と語る。

 もちろん最初は、秀寿さんの味を再現する重圧もあった。それでも「お客さんのおいしいという声が励みになる」と洋子さん。秀寿さんは「ホテルで食べられるような料理を手軽に食べてほしい」と話す。

 これからも夫婦二人三脚で、おいしい和食を広めていく。

 営業時間は昼は午前11時~午後2時、夜は午後6時~11時。定休日は火、水曜日。石垣市新栄町10の9サウンドビル201。夜は要予約。(電話)0980(87)6421。

(西銘研志郎)

大将の照喜名秀寿さん(左)と女将の洋子さん