【宜野湾】2020年に県内5番目の10万人都市となった宜野湾市。9月11日投開票の同市長選では、人口増加や高齢化に伴う医療や福祉、行政サービス向上に向けた政策も注目される。
立候補を表明した2氏とも既存の取り組みの充実や拡充のほか県全体でも運営が逼迫(ひっぱく)し課題である火葬場建設も掲げる。松川正則氏(68)は「市民の要望も高い」として政策発表の場でも火葬場建設について繰り返した。仲西春雅氏(61)は「地域福祉を支える基盤づくりが急務」として総合福祉健康増進センターの建設整備を打ち出した。
松川氏は「市民の生活環境の整備改善を図る」として、福祉関連の相談窓口の一本化による手続きの簡素化、高齢者が道に迷うことを防ぐため自動販売機などにセンサー増設などをうたう。
市が実態調査を始めた医療的ケア児の公立保育所への受け入れやそれに伴う看護師の配置も取り組む。市議会からの政策提言を受ける火葬場建設についても「市民負担軽減のために」と意欲を見せる。
仲西氏は「すべての人にやさしい街づくりを目指す」として、健康と福祉の拠点「総合福祉健康増進センター(仮称)」の建設・整備や老人福祉センターの機能充実などをうたっている。「ぎのわん車いすマラソン」の市民協働での復活も挙げる。また、市の男女共同参画条例にさらに踏み込んだパートナーシップ制度の導入、選択的夫婦別姓制度の導入推進なども盛り込む。
一方で、両氏とも政策に具体的明記はないが、市は特定健診受診率の低さが課題で、国保財政は医療支出増加と被保険者減少で収入が不足し、12年度から9年連続の赤字決算が続く。受診率向上への取り組みも問われる。 (新垣若菜)