糸満に新ホテル開業 琉球ホテル&リゾート名城ビーチ総支配人 佐藤健人氏 「東洋一」合言葉に


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ホテルの魅力を語る佐藤健人総支配人=22日、琉球ホテル&リゾート名城ビーチ

 7月に糸満市名城にオープンした「琉球ホテル&リゾート名城ビーチ」。那覇空港から車で約20分で行ける天然ビーチという立地を生かし、本島南部でのリゾート滞在を国内外にアピールする。地上11階建て、客室数443室。最大1千人を収容可能な県内最大級の大宴会場も備え、大規模МICE(マイス)(企業の報奨旅行や国際会議などの総称)の需要を見込む。佐藤健人総支配人に聞いた。

 ―コロナ禍のこの時期に開業に踏み切ることに支障はなかったか。
 「計画を立て始めたのが2015年で、着工後にコロナ禍がきた。しかし、コロナは必ず終息するし、沖縄の環境資源は無くならない。長期視点で沖縄の発展は間違いないと確信していた。今年7月のオープンは決まっていて、建物も50年は持つことを考えると今開けない理由はなかった」

 ―開業から1カ月たっての利用・予約状況は。
 「お盆は500人以上が入っていた。コロナの感染状況に左右されるが、キャンセル数と新規予約が同じくらいある。県民予約は10%ほどだが、コロナが広がると県民利用が増える傾向がある。9月のシルバーウィークの予約も入り始め、秋冬、春の団体旅行の問い合わせもある」

 ―コロナ禍でのホテル運営の考え方は。
 「アフターコロナを見据え、V字回復に必要なのは人手だと考えている。そのため、当初の予定通り社員500人を2~3年かけて採用した。来年には外国人旅行客も戻ると考えている。443室の『量』、施設やサービスの『質』を両立させ、受け入れ体制を整える。沖縄はハワイと違い立地の良さも売りだ。高い費用をかけて1回の旅行に行くより、頻繁に来てくれるリピーターが多く来てほしい」

 ―競争環境をどう見ているか。
 「1.8キロメートルのビーチに面した全室オーシャンサンセットビューに加え、六つのプールと九つのレストランなど、リゾートホテルの全てを詰め込み、他のホテルと差別化を図った。『東洋一のホテル』の合言葉を設計にも反映させた。サービスレベル向上のための人材育成にも力を入れた。どこにホテルを建てようか悩んだのではなく、名城ビーチを見て感動して計画を決めた。これからは南部にスポットが当たるようになる」

 ―予約目標値は。
 「来夏までに80%の稼働を平準化していきたい。将来的には外国人客が2割ほどになることを期待している。『琉球ホテル』というブランドを露出し、海外でもよく知られたブランドにする必要がある。冬はレートが下がるので、そこで団体旅行需要を確保したい」

(聞き手 與那覇智早)