猛烈な台風11号の接近に備え、県内のスーパーでは31日朝、多くの客が訪れ食料品などを買い込んでいた。急な需要拡大にパンや即席麺、水などが一時的に品薄となっている店も出ている。船便などへの影響を見込み、小売各社は通常より多めに商品を確保しているが、台風が長引けば品薄が続く可能性もある。店舗の営業に関しては各社とも1日までは沖縄本島、先島とも通常営業を予定している。台風の動きが複雑なため「見極めが難しい」とし、2日以降については今後の台風の進路を見ながら判断する。
那覇市のサンエー那覇メインプレイスは平日午後の早い時間にも関わらず、買い物客でにぎわった。すぐに食べられるパンや即席麺のほか、肉や野菜のコーナーも空きが目立ち、店員は商品補充に追われていた。
娘と買い物に訪れた48歳の女性は、がらんとした商品棚に驚き、「取りあえず明日1日は外に出なくてもいいように」とレトルト商品をかごに入れた。
カット野菜などすでに一部で船便が入荷していない商品もある。サンエーの担当者は「需要を見込み、即席麺などは通常より多めに仕入れてあるので数日は補充できるが、生鮮食品を含め船便、空輸で入る商品は、7日頃まで品薄が続く可能性がある」と説明した。
イオン琉球の店舗も品薄が目立ったが、担当者は「台風に備え、取引先と連携し多めに商品を確保してある。本島内は週末まで物流は大丈夫そうだ」と見通す。先島地方の店舗に関しては台風が停滞する可能性もあるため、「3日以降、影響が出る可能性がある」とした。
金秀商事も台風の影響の長期化に神経をとがらせる。「今のところは物流も通常通りだが、長引くと生鮮を中心に影響が出る」と懸念した。
(玉城江梨子)