大宜味村長選6日告示 住民の暮らしや産業振興、どう対応? 立候補予定の3氏に聞く


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 11日投開票の大宜味村長選が6日告示される。現職で3期目を目指す宮城功光氏(71)=無所属=と前村議の友寄景善氏(67)=無所属新人、前村議会副議長の安里重和氏(62)=無所属新人=が出馬を表明しており、三つどもえとなる見通しだ。3氏に訴えたい政策などについて話を聞いた。 (岩切美穂)


<宮城功光氏>観光振興を着実推進

宮城 功光氏

 ―出馬を決めた理由は。

 「2期やってきた中の大きなプロジェクト、ホテル誘致や村有地の有効活用をしっかりと進め、3期で実現したいとの思いで立候補する」

 ―主な政策は何か。

 「以前から課題だった体験・滞在型観光を実現するためには宿泊する場が必要だ。(協定を締結したホテル)ルートインの誘致を進める。地元雇用も見込んでいる。塩屋湾に遊歩道などを造る港湾整備計画も、基本計画策定に向け推進する」

 「2007年に完成した埋め立て地の村有地『結の浜』に、スポーツ交流センターを整備したい。農業面ではスイカやゴーヤーなどの生産・流通の仕組みづくりを進める若い農業従事者が安定収入を得られるよう、支援を行っていきたい」

 ―エビ養殖事業を巡る村の対応について「不透明さ」を指摘する声がある。どう受け止めるか。

 「どこが不透明なのか。村は手順を踏んでおり落ち度はない。(業者から民事訴訟に)訴えられたこと自体がおかしい。業者と調整しながら進めていたが、契約や指示に反する行為があった」

 ―村長選の争点は。

 「村の経済力をいかにアップさせるかだ。雇用効果を高めるための事業推進をしなければいけない」

 ―他の候補にないアピールポイントは何か。

 「要請活動を積極的にやってきたことだ。議員時代から構築した国・自民党とのパイプを生かし、村の経済振興につなげる自信がある」

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 みやぎ・のりみつ 1951年1月生まれ。村塩屋出身。東京文化学苑修了。建設業を経て82年から村議7期、うち議長を2期務めた。2014年の村長選で初当選し現在2期目。18年は無投票で再選。


<友寄景善氏>子育てしやすい村へ

友寄 景善氏

 ―出馬を決めた理由は。

 「村政を刷新し、内外に誇れる大宜味村を実現したい。現村政は事業進行が強引で不透明だ。疑念を抱く村民が多い。村民の声を聞き、公正公平な村政運営を行いたい」

 ―主な政策は何か。

 「子育て・教育しやすい環境づくりへ、役場内に子育て支援を担う課を新設する。幼稚園から中学校までの給食費を無償化し、出産祝い金は第1子から10万円とする」

 「産業振興は、村内に多い小規模事業所の発展が鍵だ。結の浜にイベント広場を整備し、定期的な販売会開催で販促を図る。特産のシークヮーサーは農家の経営基盤安定と後継者育成が必要だ。ふるさと納税を活用し、販売価格を1キロ当たり150円に引き上げる」

 ―塩屋小跡地のエビ養殖事業で業者が村を訴えている問題で、事業進行の「不透明さ」を指摘している。何が問題か。

 「当初の計画にエビ養殖はなかった。計画変更時、審議会などに諮り直すべきだったが、それを行わずに承認に至った手続きが問題だ。住民に対しても丁寧な説明なく進んだ。業者任せにせず、村が早い段階で住民説明会を開くべきだった」

 ―村長選の争点は。

 「公正・公平で健全な村政運営を、どの候補が築けるかだ」

 ―他の候補にないアピールポイントは何か。

 「村役場で35年間培った多分野の実務経験だ。長年の懸案だった小学校統合を成し遂げるなど事業の円滑な進め方を熟知し、実行力がある」

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 ともよせ・けいぜん 1955年2月生まれ、村上原出身。琉球大卒。80年に村役場に入り、経済課長などを歴任。2011年から15年まで教育長。18年の村議選で初当選し、今年6月まで1期務めた。


<安里重和氏>福祉の向上が最優先

安里 重和氏

 ―出馬を決めた理由は。

 「3期12年間、地域を大切に、何かあればすぐ現場に赴く『行動第一』で議員活動に取り組んできた。その姿を見て(村長選出馬を)応援してくれる村民がいた。グレーゾーンが多い現在の村政を透明化したい」

 ―主な政策は何か。

 「最優先は住民福祉だ。学校給食費を無償化する。条件を調べて、段階的にでも実現する。また、各区内から乗車でき、村内を一周するコミュニティーバスも導入したい。国道沿いのバス停が遠くて困っている高齢者がいる。村長給与を削減して、少しでも福祉の向上に充てたい」

 「防災体制の見直しも必要だ。海抜の低い海岸近くの公民館などが避難所に指定されている。災害時、村民が実際に活用できる場所を指定し直さないといけない」

 ―塩屋小跡地のエビ養殖事業で業者が村を訴えている問題で、事業進行の「不透明さ」を指摘しているが、何が問題か。

 「旧塩屋小の運動場は元々、住民の憩いの場として残されたと聞いた。跡地計画にエビ養殖事業は当初なかったのに、区民も知らない間に養殖場が造られた。目的外使用だ。村は区民への説明会を開いてから事業を進めるべきだった。私なら経緯をオープンにする」

 ―村長選の争点は。

 「住民福祉の向上と、不透明な村政だ」

 ―他の候補にないアピールポイントは。

 「自分の足で各区を回り、村民の声を直接聞く行動力だ」

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 あさと・しげかず 1959年10月生まれ。村田嘉里出身。辺土名高卒。自動車会社勤務を経て現在は建設会社勤務。2010年の村議選で初当選し今年7月まで3期務めた。18年からは副議長だった。