性の多様性条例を否決 宜野湾市議ら、旧統一教会の影響「ない」 集会出席者が取材に語ったこと 沖縄


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 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)や関連団体などと政治家の関係性がクローズアップされる中、教団が保守的な思想に基づき、県内の地方議会にも働き掛けていた実態が浮き彫りとなった。宜野湾市で開催された教団関連の講演会には、宮崎政久衆院議員や又吉清義県議、市議会から上地安之議長のほか、呉屋等市議、桃原朗市議、山城康弘市議も参加した。性の多様性に関連した条例案を否決した市議会への影響や教団への賛同は否定している。

 講演会に参加した議員は来賓として紹介された。議員らは琉球新報の取材に対し、知人からの誘いで参加したなどとして「(旧統一教会との)関連は全く分からなかった」と回答した。一方、本紙が入手した音源で主催者はあいさつで「世界平和統一家庭連合」という団体名に言及し、活動を紹介していた。

 呉屋市議は「講演会は通知と実際の主催団体名が異なっていた。付き合いは一切ない」と語る。条例の否決に回ったことと旧統一教会との関連についても否定し「当初案の内容は踏み込みすぎている部分があった。改めた際には賛同している」と説明した。

 桃原市議は「宗教と政治は別々であるのが当然だ」とした上で、条例否決への影響は「当然ない。個々の考えあってのことだ」と述べた。

 山城市議は「信教の自由は尊重するが、教団に賛同しているわけではない。(条例も)さらに議論が必要だと思い、当初は反対した」と語った。

 講演会の冒頭に登壇した宮崎衆院議員はあいさつ後、すぐ退席した。取材に「地元で開催する会合なので、あいさつ依頼があった。主催や趣旨など詳細は承知していなかった」と回答した。

 又吉県議は遅れて参加したという。「世界平和統一家庭連合の勉強会だと聞いていたが、旧統一教会との認識は無かった」と説明した。今後の参加は「中身による。過去に参加した勉強会では(講師が)言っていた通りになった。皆さんも受けたらいい」と述べた。

 上地議長、桃原市議、山城市議に加えて又吉亮市議が、教団の関連団体が台湾で開催した「幸福台湾祝福式典」に参加した。全議員とも教団と認識していなかったと説明した。又吉市議は「団体のことを詳しく知らなかったが関係者から直接話を聞いた上でお付き合いはできないと答えている」と語った。
 (明真南斗、新垣若菜)