大型で強い台風11号は3日、沖縄県の宮古島地方や八重山地方を風速25メートル以上の暴風域に巻き込みながら北上した。石垣市や宮古島市などが計約10万9500人を対象に避難指示を出した。那覇市おもろまちでは午後2時半ごろ、70代女性が歩道で風にあおられて転倒し軽傷を負った。沖縄電力によると同日午後9時現在、宮古島市で2380戸、多良間村330戸、石垣市60戸の計2770戸が停電している。暴風雨のため復旧作業を見合わせている。
3日午後5時51分に与那国町で最大風速23・7メートル、午後2時52分に渡嘉敷村で最大瞬間風速32・6メートル、午後6時42分に宮古島市で最大瞬間風速31・5メートルを観測した。渡名喜村で1時間に64ミリ(午後3時10分)の非常に激しい雨が降った。
3日午後9時現在、石垣市や竹富町、宮古島市に避難指示、多良間村と久米島町に移動に時間がかかる高齢者らを対象にした「高齢者等避難」が発令されている。5市町村31カ所に避難所が設置され、28世帯39人が避難している。
4日は石垣市議選など5市議選の告示日となるが、いずれも通常通り立候補の届け出を受け付ける予定。
沖縄気象台によると本島の中南部には4日昼前、北部には4日昼過ぎに最接近する見通し。中南部は最大風速23メートル、最大瞬間風速35メートル、北部は最大風速20メートル、最大瞬間風速30メートルが予測されている。
宮古島地方と八重山地方は4日にかけて1時間に70ミリ、沖縄本島地方では1時間に40ミリの激しい雨が降る見込み。4日午後6時までに予想される24時間雨量は石垣島地方250ミリ、与那国島地方と沖縄本島地方150ミリ、宮古島地方250ミリとなっている。
久米島では4日未明に暴風警報が発令される見通しで、昼前に最接近するとみられる。
1時間降水量は40ミリの激しい雨が降ることが予測されている。沖縄地方は4日午前までに線状降水帯が発生する可能性がある。さらに雨量が増え、大雨や災害の危険性が急激に高まる恐れがある。
台風は3日午後9時現在、宮古島の南西約70キロを時速15キロで北へ進んだ。中心気圧は955ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は40メートル、最大瞬間風速は60メートル。中心の東側150キロ以内と西側110キロ以内が風速25メートル以上の暴風域、南東側650キロと北西側560キロが風速15メートル以上の強風域となっている。
(狩俣悠喜、金城大樹)