大型で非常に強い台風11号は4日、沖縄地方に暴風雨をもたらしながら東シナ海を北上した。宮古島地方は3日明け方から4日夕方まで約36時間にわたり暴風警報が出た。4日午後9時現在、風にあおられて転倒するなど男女4人が重軽傷を負った。道路標識やブロック塀、街路樹などが倒れ、外壁の落下や落石などもあった。宮古島市を中心に県全体で最大6340戸が停電した。瞬間最大風速は宮古島市鏡原で40・1メートルを観測、24時間雨量は各地で100ミリを超えた。5日も強風や高波が続く見込み。
4日午後9時までに観測された最大瞬間風速は渡嘉敷村で39メートル、石垣市伊原間で37・9メートル、久米島町北原で35メートル、南城市糸数で32・3メートルなど。
24時間雨量は宮古島市城辺で232ミリを観測した。国頭村193・5ミリ、東村177・5ミリ、那覇市177ミリ、竹富町大原169・5ミリなど、計28地点で100ミリを超えた。
沖縄旅客船協会によると、4日は116便が欠航した。5日は水納海運の水納―渡久地間の7便と、マルエーフェリーの那覇港発の上り1便の欠航が決まっている。その他は早朝に判断する。
4日は全日本空輸(ANA)25便、日本航空(JAL)27便、日本トランスオーシャン航空(JTA)56便、琉球エアーコミューター42便、ピーチ・アビエーション53便、スカイマーク33便、ジェットスター14便が欠航した。5日はJAL4便、JTA1便の欠航が決まっている。
台風は4日午後9時には久米島の西北西約280キロの海上にあり、時速約15キロで北へ進んでいる。中心気圧は945ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45メートル、最大瞬間風速は60メートル。中心の南東側280キロ以内と165キロ以内は風速25メートル以上の暴風域。
(稲福政俊、中村優希)