伊是名村長選6日告示 人口対策や産業振興、島の課題にどう取り組む?立候補予定の2氏に聞く


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
(左から)奥間 守氏、前田 清氏

 【伊是名】11日投開票の伊是名村長選は6日に告示される。新人で前副村長の奥間守氏(68)=無所属=と、新人で前村議の前田清氏(58)が出馬を表明している。両氏は4日までに、本紙の質問に書面で答えた。優先的に取り組む政策として奥間氏は「移住・定住促進事業の実施」などを挙げ、前田氏は「第5次伊是名村総合計画の推進」などを挙げた。主な回答を紹介する。
 (増田健太)

<奥間守氏>移住定住促進で人口増

 ―特に力を入れたい政策・公約を四つ、優先順位の高い順に挙げてほしい。

 「(1)移住・定住促進事業の実施(2)人材育成と子育て世代の支援(3)永代供養施設の整備(4)公衆無料Wi―Fi環境の整備」

 ―「移住・定住促進事業」はどのように取り組むか。

 「本村の人口は年々減少し、その対策が喫緊の課題となっている。人口減少は村経済にもさまざまな影響を及ぼし、各産業の担い手不足および各種職業の労働力不足にも波及している。移住・定住を図る施策を実施して人口増加を図り、第1次産業~第3次産業の振興を目指す。若者定住促進住宅整備の継続および家族向け移住・定住住宅の整備を実施する」

 ―人材育成と子育て世代の支援をどう進めるか。

 「現村政で取り組んでいる無料学習塾を継続実施する。家庭の経済状況で高等教育を受ける機会を断念することがないよう意欲ある子どもの進学支援を検討する。幼・保一体化した認定子ども園への移行ならびに高校入学祝い金の創設を検討する」

 ―新型コロナウイルスの影響で落ち込む村経済や村民の暮らしの回復のために優先的に取り組むことは何か。

 「村民の生命、暮らしを守るために、感染防止対策の徹底およびワクチン接種を推奨する。また、村内における消費活動の停滞が顕著になれば、村内限定のプレミアム商品券を販売し、村経済の活性化を図ることも検討しなければならない」

 ―現村政に対する評価は。

 「高く評価する。村財政が逼迫(ひっぱく)していた2005年に法定外目的税として全国初の『環境協力税』を導入し、財政の負担軽減を図ってきた。琉球国王、尚円王の生誕地として『尚円王』をキーワードにした村づくりを実施している」

……………………………………………

 おくま・まもる 1954年7月生まれ、村内花出身。明治学院大卒。1982年村職員に採用。2015年から副村長。出馬に伴い辞職。


<前田清氏>村民協働のしまづくり

 ―特に力を入れたい政策・公約を四つ、優先順位が高い順に挙げてほしい。

 「(1)第5次伊是名村総合計画の推進(2)行財政改革の推進(3)人口増加対策の推進(4)伊平屋・伊是名架橋建設の事業化への取り組み」

 ―「第5次伊是名村総合計画の推進」は、どう取り組むか。

 「総合計画の基本目標に沿って、『教育、文化、スポーツ』『自然環境・生活環境』『福祉』『防災・防犯』『社会基盤』『農業』『交流・協働・行財政』等各分野の施策の実現に取り組み村民と一体となった活力ある協働のしまづくりを目指す」

 ―行財政改革をどう進めていくか。

 「本村の財政は依然として厳しい状況にあることから、早期に行財政改革大綱を策定し、財政の健全化に向けた取り組みを進める」

 ―新型コロナウイルスの影響で落ち込む村経済や村民の暮らしの回復のために優先的に取り組むことは何か。

 「本村の人口は、ここ数年において2千人規模から1300人規模まで減少し、まさに村勢の退歩ともいえそうだ。加えて、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響が村民生活および村経済に大きな影響を与え、多くの村民や事業者が事業経営や日々の暮らしに苦しんでいる。この状況を何としても改革せねばならない。そのため、優先的に取り組むことは、何はともあれ村民が健康で生き生きと暮らせるような施策を進める必要がある」

 ―現村政に対する評価は。

 「財政諸指数の推移によると実質収支比率、経常収支比率、財政力指数、公債費比率、起債許可制限比率等が標準値より悪いので引き続き行財政改革に努める必要がある」

……………………………………………

 まえだ・きよし 1964年7月生まれ、村内花出身。那覇工業高中退。会社役員を経て、2002年から村議5期。出馬に伴い辞職。