11日投開票の宜野湾市長選で、2期目を目指す現職の松川正則氏(68)と「9・29県民大会の会」会長で新人の仲西春雅氏(61)が4日の告示以降激しい選挙戦を展開している。両陣営の選対本部長に手応えや有権者に訴えたいことを聞いた。
(聞き手・新垣若菜、名嘉一心)
<松川陣営>又吉 清義氏 実現力で市を発展
―選挙活動の手応えは。
「最初は動きがにぶく不安があったが日に日に良くなっている。応援部隊への志願も多く活動する人がとても増えている。トリプル選挙ということで、本来の選挙よりも応援活動が分散されてしまうので、3倍の動きが必要とされる。上手にこなしながら盛り上げていきたい」
―当選ラインの予想は。
「今回はトリプルで注目度も高い上に、宜野湾市長選はこれまで60%台を推移している。投票率は65%と仮定し、その場合は2万5500票が当選ラインと考えている。ただ一方で選挙準備期間が短いので読めない部分もある。どちらの陣営も当然ではあるが、前回選以上の得票数を得るために必死になっている」
―最終盤の取り組みは。
「期日前投票の呼びかけを徹底している。まだトリプル選挙という理解が薄い有権者もいるだろう。無党派層の獲得のためにも丁寧な周知が鍵を握る。支持者による手振り運動も積極的に実施している」
―有権者に訴えたいことは。
「松川氏の良さは1期4年の実績からも分かるように圧倒的な実現力だ。長い行政経験を巧みに生かした予算の獲得からはじまり、事業完成まで持っていく実行力である。まず予算を獲得できないと、市のために何かしようとしてもどうにもならない」
「重要課題である普天間飛行場の返還・移設問題の解決に向け、辺野古の埋め立てが約30%も進んでいるので常駐機の段階的な移駐による市民負担の軽減も考えている。火葬場の建設に向けても取り組む。多くの事業を展開、完成させ宜野湾をさらに発展させることができるのは松川氏だ」
<仲西陣営>新垣清涼氏 市民の目線を重視
―選挙活動の手応えは。
「朝の手振りや遊説では市民の反応が良い。玉城知事候補とのセット戦術が効いているのだろう。一方で、仲西候補の人間味あふれる訴えが聴衆の心を捉えている表れとも感じる。子育てを経験し、家族を支える本人の『宜野湾の安心・安全』を取り戻したいと訴える姿が浸透し、支持が広がっていると実感している」
―当選ラインの予想は。
「投票率が64%程度になる事を想定しており、2万5千票の獲得を目指している。県知事選も同日投開票という事を踏まえると、玉城氏とアピールする事が重要だ。加えて、市議選には有機フッ素化合物『PFAS』の土壌汚染調査を実施した市民グループの中心メンバーが立候補しており、水の問題は多くの注目を集めている。相手候補の背中も見えてきた」
―最終盤の取り組みは。
「新型コロナウイルスの影響もあり、街宣や遊説に力を入れている。日ごとに20カ所を回っている。市民の上に立つのではなく、市民目線で訴える仲西候補の声を多くの人に届ける事が重要だ」
「宜野湾の空と水の安心・安全を実現し、より良い子育て環境を作りたいという事を重点施策に掲げ、支持を広げていく考えだ」
―有権者に訴えたい事は。
「前回選挙から宜野湾を巡る環境は改善されるどころか悪化している。PFASによる水の汚染や、米軍機からの落下物など、特に普天間飛行場から派生する問題は市民を不安にさせている。仲西候補は市民目線を重視し、子どもを核とした誰にでも優しい街づくりを推進する。全市民が望む宜野湾を目指し、押し進める事ができる」